ヤス坊「こんにちは!!おじいさん、おじいさんいる?回覧板持ってきたよー」
おじいさん「うーん、なんだかんだ言っても沢尻エリカはいい女じゃぁ・・・」
ヤス坊「おじいさん!!回覧板だよ!!また東スポ読んでるの?」
おじいさん「おおおお!!なんだヤス坊じゃないか!!回覧板か!!いつもありがとな!!そうだ、おりこうさんにはご褒美をやらんとな・・・ほれ」
ヤス坊「あ、ありがとう!!(ま、またオブラートのゼリーだ・・・)そ、それよりおじいさん。こないだの新沼謙治の鳩の話、おもしろかったよ!!今日はどんな話聞かせてくれるの?」
おじいさん「おお、そうかそうか。じゃ今日はなぁ・・・昔のプロレスの話をしようかな?」
ヤス坊「ぷろれす?ぷろれすって何?」
おじいさん「プロレスというのはな、ワシらよりも何倍も体の大きい、何倍も力のある男たちが体と体をぶつけあって戦う格闘技のことじゃ」
ヤス坊「えー?お相撲さんみたいなやつなの?」
おじいさん「確かにお相撲さんも大きいし力もあるがな・・・過去にプロレス界にはお相撲さんよりも大きい男がいたんじゃよ」
ヤス坊「えー!?お相撲さんよりも!?」
おじいさん「そうじゃ・・・あれは1963年。今から約50年前のことじゃ。日本プロレスの第5回ワールド大リーグ戦にヘイスタッグ・カルホーンというレスラーが来日したんじゃが、このカルホーンというレスラーがすごかったんじゃ。当時の体重がなんと275キロだったそうじゃ。ヤス坊の知っている稀勢の里より100キロも重かったんじゃよ 」
ヤス坊「えええー!!」
おじいさん「さらにこの初来日のとき、あまりの体の大きさに乗れる車がなくて・・・来日し降り立った羽田空港から宿泊先のホテルまで、なんとトラックの荷台に乗って移動したというんじゃ。もちろんこれだけの体じゃ。彼の食欲も当然人間離れしていてな。一回の食事でバケツ一杯分のジャガイモ、肉は3キロ、卵は10個以上、牛乳は2リットルはたいらげたというんじゃ。どうじゃ?さすがのギャル曽根も、すっぴんでも化粧していてもそうかわいくはないのもうなずけるじゃろ?」
ヤス坊「ギャル曽根のくだりはわかんないけど、すごいや・・・」
おじいさん「ところがな、このカルホーンよりも大きいレスラーがいたんじゃよ」
ヤス坊「えええー!!」
おじいさん「そのレスラーの名はハッピー・ハンフリーといってな。なんと最も体重のあるときには360キロあったというんじゃ」
ヤス坊「もうわかんないや・・・」
おじいさん「ははは・・・しかしな、これだけでおろどいてはいけないぞ」
ヤス坊「おじいちゃん、驚いてでしょ」
おじいさん「なんとこの2人が戦ったことがあるんじゃ!!」
ヤス坊「えええー!!(お、おろどいては訂正しないのかぁ)」
おじいさん「世界の檜舞台といわれレスラーやボクサーならその場に立つことを一度は必ず憧れるニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン、MSGで1961年7月、このふたりが戦ったんじゃ。プロレス界でも1、2のウェートのこの2人が戦うということで前評判も上々、MSG は超満員となったそうじゃ」
61年7月に行われたカルホーン(左)vsハンフリー(右)
カルホーンのヘッドロックがキマる
ヤス坊「で!?一体どうなったの!?」
おじいさん「試合に派手な攻防はなかったようだが、巨漢と巨漢のぶつかり合いは相当なインパクトだったようじゃよ。しかし・・・ひとつ予想もしなかったことが起きてしまったそうなんじゃ」
ヤス坊「それはなんだったの!?」
おじいさん「聞いておろどくなよ!!なんとリングが壊れてしまったそうなんじゃよ!!」
ヤス坊「えええー!!(ていうかまたおろどくって・・・)」
おじいさん「正式な記録がないので詳しくはわからんが、カルホーンのタックルで跳ばされたハンフリーがコーナーにもたれかかったとき鉄柱が曲がった、あるいは2人の重さでリングに穴が開いてしまったなど諸説がある。それが本当かどうかはわからんが、勝負は無効試合のような形で幕を引いたということじゃ」
ヤス坊「へぇ・・・すごかったんだねぇ・・・」
おじいさん「近年の日本人レスラーには練習もロクにせず、肉がたるんでいてブクブク太っているヤツが多い。そんなヤツらは・・・いくらプロレスラーだと名乗っても、ワシはプロレスラーとは思いたくない。プロレスは常人にはない、鍛え上げた男と男の勝負だからだと、ワシは思っているからだ。しかし歴史の中では、そんなワシが否定するタイプのレスラーでも、大勢の人を魅了し、会場を満員にし、こういう面白味のある名勝負を残すレスラーがいるんじゃ。巨漢のレスラーはほとんどがしょっぱい。しかし中には優れたレスラーもいる。ただのデブなレスラーと巨漢レスラーは、みんながみんな一緒ではないんじゃよ」
ヤス坊「おじいさん・・・」
おじいさん「あああ、すまなかったな!!またおいで・・・気をつけてお帰り」
ヤス坊「うん、またお話、聞かせてねおじいさん!!」