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Channel: 団塊Jrのプロレスファン列伝
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桜の花の咲く頃に

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どうも!!流星仮面二世です!!

さあ4月9日、両国国技館

「戦国炎舞-KIZNA- Presents SAKURA GENESIS 2017」

行ってまいりました。

前回、ブログでも書きましたが(
夢は悪夢か吉夢か)この日を迎えるまで、プロレス観戦に行くまでがこんなにも心配で緊張したのは・・・これまでにあったでしょうか?

それまでの三世は、試合をどう予想する?と聞けば

「たまにやっちゃうときあるから心配なんだけど、オカダが勝つかな」

とにこやかに語るのがほとんどでした。しかし今回は

「うーん・・・オカダに勝ってほしいな・・・」

勝ってほしい、か・・・

前哨戦のタッグでの対決は、どちらかが取ったり、または取られたりするのが必ずあるそうなんですが、今回はそれがまったくなかったそうなんです。そういう経緯 もあり読めないのもあるのかもしれませんが、でも2年くらい前なら、こんな言葉はけして発しませんでした。しかし自身が、わずかながら「技」を知り、先の札幌決戦での鈴木戦で何かを感じた三世には、柴田は脅威でしかありませんでした。

加えて、あの夢です。かつて肺炎で高熱を出し寝込んでいたときでもオカダの夢を見たほどの男の夢の中に出てきた、ベルト姿の柴田の意味とは?

しかし、そんな不安も安堵に変わる出来事が。試合の2日くらい前の日だったでしょうか?ボクが帰宅すると、見たことないオカダのTシャツを手に持ち、うれしそうに見せてきました。なんと三世の一番仲のいい友達が、出先で見つけて買ってきてくれたそうなのです。

その友達はプロレスをまったく知りません。レスラーの名前もほとんどです。でもオカダは知っていて、そして三世がオカダという人を好きということは知っていました。

「今日はこれ着てくんだ」



顔は合成です

遠出しても友達の好きなものを覚えてて、しかも自分の小遣いで買ってきてくれるなんて。12歳の3000円って大変じゃないか・・・

オカダに勝ってほしい・・・響く言葉だ。しかし、どうなるんだろう?

当日は朝から大雨でした。現地もどうやら雨なので、並ばないで入れるようにといつもより遅めに着する予定でしたが、着いてみるとあらら?なんと両国駅の外側まで微動だにしない人の列。両国は開いちゃえばけっこうわさわさ入れるんだけど、な、なんだこれは?どうやら、理由はわかりませんが定刻の14:30に開場しなかったようで、こんな珍しい現象が起きてしまったようなのです。




雨の中を進む人の群れ。思えばこれが波乱の予兆だったのか・・・


では試合です!!今回もテレビ、動画はまったく目を通しておりません。会場で観たまま振り返ります。


 第0試合15分1本勝負

デビッド・フィンレー、獣神サンダー・ライガー、中西学vs北村克哉、岡倫之、川人拓来


これはヤングライオン3人がよかったですね。岡のスロイダーはもうちょっと反ってほしかったけど、でもいい技を使うと思いました。北村は体、すごいですね!!中西との対決は肉vs肉という感じで見ごたえありました。川人はドロップキック、いいですね。しばらく外国人や、日本人でもジュニアクラスが多かったヤングライオンでしたが、岡、北村とヘビー級が入って、これはこの先が楽しみになってきました。

第1試合20分1本勝負

タイガーマスク、タイガーマスクW、永田裕志、真壁刀義vsチェーズ・オーエンズ、高橋裕二郎、タマ・トンガ、タンガ・ロア

これは以前にも書きましたが、裕二郎の入場はもういいんじゃないですかね?マンネリですよねぇ・・・試合も、これだ!!というものが最近なく、ちょっと残念な感じです。で、本試合とはまったく関係ないですが、アニメのタイガーマスクWに、とうとうタイガー・ザ・グレートと同じ姿をしたザ・サードというのが出てきましたね。これはね、今後実際にリングに出すならタイガー・ザ・ダークのときみたいに絶対にハズさないでほしいですね。

第2試合20分1本勝負
ロッキー・ロメロ、バレッタ、YOSHI-HASHIvsTAKAみちのく、エル・デスペラード、鈴木みのる

すいません、ここ腹痛のためトイレで見ておりません・・・すいません。

第3試合 IWGPジュニアタッグ選手権試合60分1本勝負
タイチ、金丸義信vs邪道、外道

これも入場が、どーも・・・どうなんですかね?正直おもしろくもなんともないですよね。しかしあべみほちゃん?ていうんですか?いやぁちゃんと役割、ポジション心得てますね。間もうまいと思いました。こういうのってどうしてるんですかね?自身でエリザベスの映像とか見て研究してるのかな?

第4試合30分1本勝負
矢野通、石井智宏 vs バッドラック・ファレ、ケニー・オメガ

この試合ばかりとは限らないんですが、ファレ、もったいないですよね。せっかく体があるのに生かしてないですよね。ぶっちゃけ、どんくさいと感じます。今ってちょっとね、正直プロレスラーとしては小さい選手が多いですよね。そこにきて、あれだけの身長と体重を持っている存在なんですから、もっとアグレッシブに、ガンガン動いてほしいですね。そしたらハンセン、ブロディ、ベイダー級のレスラーになりますよ。本当にもったいない。せっかくIWGPとかにも挑戦できるんですからね。期待してるんですよー。がんばってください!!

第5試合30分1本勝負
リコシェ、田口隆祐、ジュース・ロビンソン、棚橋弘至vsBUSHI、EVIL、SANADA、内藤哲也

内藤人気すごいですね!!なんで・・・これだけ人気あるのに総選挙でランクインしなかったのか、不思議になります。試合は、これはおもしろく楽しい試合でした。田口はドン荒川を彷彿させますね。ドン荒川をさらにパワーアップさせたような感じですね。試合は内藤がジュースに負けるという波乱でしたが、ジュースはウチの嫁さん曰く、あたしと手を合わせたから出世する、だそうです。ああ・・・そうなんすかぁ・・・

第6試合 IWGPヘビータッグ選手権試合60分1本勝負
天山広吉、小島聡vs ハンソン、レイモンド・ロウ

これ、このハンソンとロウ、うまいですね!!昨年のタッグリーグでも見ましたが、試合巧者ですね。巨体ながらのトぺなどが先行しがちですが、試合の流れを作ったり技の繋ぎがうまいんですよ。ふたりのタッグは、なんかマードック、スーパースター組を彷彿させますね。いいタッグチームですよ。IWGPも取ったし、楽しみなチームです。

第7試合 NEVER無差別級選手権試合60分1本勝負
後藤洋央紀vs ザック・セイバーJr

ザック・セイバーJr、これは近年からするとかなりおもしろい選手ですね。いろいろな技を使うので、なかなか見入ります。でも・・・なんていうんですかね?この選手は出す技がですね、まだ意識してやっているところがあるようにボクには見えるんですよ。たとえば、さあ腕を取って、この技をかけよう!次は足を取って、これやろう!という感じなんですね。だからちょっと流線に欠けるというか・・・スティーブ・ライトやピート・ロバーツみたいな滑らかさがないように見えるんですよ。腕を取ったらひとりでに体が動いて、抜けてキメるような、相手が手を出して来たらスッと、この態勢になったらこう、こう、というのが無意識に出るような、そういう動きがもっとあれば、これはいいと思いますね。

第8試合 IWGPジュニアヘビー級選手権試合60分1本勝負
高橋ヒロムvs KUSHIDA

この試合が終わったあと三世が

「自分からケンカ売っといてこの負け方って、一番カッコ悪くない?」

ごもっともです・・・

ここまで振り返って、全体的にはどれもおもしろかったです。ドームのときみたいに、なんだかなぁ・・・というのがありませんでした。特に観客に楽しませるという意味ではいいのが多かったと思いますね。タグチジャパン?ですか?あれなんか本当におもしろかったです。本道としては、ボクはやっぱりハンソン、ロウのタッグですね。このふたり推したいです。 

ちょっとなぁ・・・と思ったのは、タッグでですね。コーナーに相手振っておいて、そこで順番に相手に走っていって当てるという攻撃が多すぎかなと思いました。相手がコーナーにいて、ホイップして突っ込んでいくやつですね。これ、やっている本人はノリノリでいい気持ちなのかもしれませんけど、思いっきり助走つけて対角線上に走って行って突っ込んでいくわりには、当てる技が中途半端なエルボーだったりラリアートだったりで・・・言葉悪いかもしれませんが、インパクトがしょぼいんですよ。そう多発しなくてもいいんじゃないのかなぁ・・・と思いました。

さて、いよいよメインです。

第9試合 IWGPヘビー級選手権試合60分1本勝負
オカダ・カズチカvs 柴田勝頼

前の試合が予想だにしないタイムで終わり、騒然とした空気が流れた後、間もなくして会場の空気が一変しました。このソワソワ感、これは猪木と天龍がドームでやったときの、あの試合直前に似ています。異様な興奮の、空気です。そんな中、ついにゴングが鳴りました。

“オカダはレインメーカーというマスクを被っている。俺はそのマスクの下のオカダを引き出して闘いたい”

と柴田は言いました。そしてオカダは逆に柴田に

“俺こそ、昔の新日本プロレスのレスラーだ、というようなマスクを被ってるような気がする。それを剥がしてやろうかな”

と言いました。

ボクは4年ほど前、何十年ぶりに観戦したドームでオカダのドロップキックを見て刺激され・・・そしてその日から息子がプロレスファンになり、現在の新日本を本格的に一緒に観るようになりました。

初めは今のプロレスに戸惑い、なんだかわからないことも多かったですが、いろいろわかってくるとおもしろくなり、家族でテレビ観るのが楽しくなりました。ビッグマッチ前はチェックを入れ、家庭でこの試合は、この選手はね、と話すのがうれしかったです。生観戦も数を増し、やがて家族で観戦にも行きました。その試合はレベルが高く、ドキドキしながら興奮しながら観ては、結果に喜び悲しみ、いろいろな思いを巡らせました。そしてそれを同じファン同士で話し合うことが、またできるようになりました。それは本当にうれしいことでした。

でも・・・本当に、ほんの小さな隙間なんですが、心にそれがありました。うれしく楽しいはずなのに、その隙間は・・・なんなのか?

知ってのとおり、ボクは古いプロレスのファンです。そんなこともあり柴田の試合を見るたび、ああ、プロレスを見た・・・と、何度も胸を熱くしたことがありました。オカダによって門を開いてもらい、柴田によって通されたんです。

しかしながら、やはり親、なんでしょうね。この日は会場で息子が好きなオカダに勝ってほしくて声を張り上げていました。

でも、初めこそそうだったのですが・・・グランドの展開、寝そべってのアリ戦法、足4の字、リバースのインディアン・デスロックから弓矢固め、コブラ、卍・・・倒れた相手に、来い!!という、その手、腕、表情。その動きひとつひとつに自分の体が反応し、いつしかオカダと叫べなくなっていました。

そして過った、出かける前の三世の言葉

「お父さんは柴田のTシャツ、着ていかないの?」

柴田の・・・そうだおれは今、何をしているんだ?

そんな思いの中、柴田のパンチ、それは髪の毛を鷲掴みにし眼光をくれる弓を引く右ストレート、ナックル・アローでした。その攻撃を背中から観るボクの目に飛び込んできたのは「闘魂」の2文字でした。体から青白き炎を出しながら背中に浮き出た闘魂の2文字・・・これだ・・・ボクの心の隙間・・・闘魂だ!!これが、おれが知ってるプロレスだ!!柴田、勝ってくれ!!

しかし、その闘魂を真っ向から受けるはオカダ。闘魂のヤドカリを吹き飛ばすかのような攻防を見せます。だが技を出し、受けきって、また技を出して受ける柴田。もはや意志とは別のものが柴田を動かしているように見えました。何が体を動かしているのか・・・そう、闘う魂なんだ・・・

スリーパー、そして柴田の腕を持ったままのオカダへのキック。周りには目を塞ぐ人もいた。悲鳴も聞こえた。オカダが、負ける・・・

「オカダー!!がんばれー!!」

三世の声・・・なんて試合なんだ・・・

しかしオカダは何かを持っていました。反撃・・・でもレインメーカーが打てず、前のめりに。しかし最後、まさに力を振り絞っての、あれは形こそレインメーカーでしたが、ボクにはレインメーカーには見えませんでした。オカダが腕で、意地でぶん殴ったように見えました。そしてその腕は柴田の首を横からぶん殴ったように、こちらからは見えました。

寒気がしました。首の横、頸動脈を締めれば頭への血流が止り脳への酸素不足で気を失います。落ちるというやつです。しかしそれは絞め技の限りではありません。打撃でも首、頸動脈に入れば血流が一瞬絶たれ気を失います。あの技が柴田に決まったときは、まさにその状態ではなかったかと思います。なんて凄まじい・・・

レインメーカーというマスクを被っている。俺はそのマスクの下のオカダを引き出して闘いたい。昔の新日本プロレスのレスラーだ、というようなマスクを被ってるような気がする。それを剥がしてやろうかと・・・だが、オカダも柴田もマスクを剥がし合わなかった。生まれ持った真のストロングスタイルとプロレスのメーンカレント(本流)を行くお互いのスタイルが、最大限でぶつかり合った。純粋にプロレスラーふたりが戦った、それがオカダvs柴田でした。

柴田が、負けた・・・半ば呆然・・・そして涙が溢れんばかりでした。

その横で、三世。オカダが勝てば、いつもは大喜びの三世ですが、この日は

よかったぁ~勝てたぁ~」

と、安堵の表情でした。

そう、三世はそれでいい、本当にいい!!本当に心の底からオカダを応援する、その気持ち。それでこそ真のファンだ。

しかし、おれは・・・

家に帰ると嫁さんが

「子供の手前、言えなかったけど、あたしテレビの前で柴田勝って~!!って泣きそうになりながら祈ってたよ」

そうか、そうだよな・・・

マスクを剥がされたのは・・・ボクらだったのかもしれないな。

松尾芭蕉の詩に

花の雲 鐘は上野か浅草か

というものがあります。

遠くを見渡せば、雲と見まちがえてしまうほどの桜の花。そんな桜を見ていると、どこからか鐘の音が聞こえてくる。隅田川を渡り聞こえてくるその鐘は、上野の寛永寺の鐘か、はたまた浅草の浅草(せんそう)寺の鐘か・・・という詩です。

東京の桜が満開だったあの日。聞こえた鐘の音は上野でも浅草でもありませんでした。そうそれは両国から聞こえた、ゴングの音色でした。今までになかった戦いを制したオカダと、全身から闘魂を出して戦った柴田へのゴング・・・でした。

この試合を見れたことを誇りに思います。ありがとう・・・

※後日、柴田のニュースを知りました。とても胸が痛くなりました。回復を願うばかりです。早くよくなりますように・・・





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