どうも!!流星仮面二世です!!
さあ今回はですね、1月21日に行ってきました
「NJPW PRESENTS FANTASTICA MANIA 2018 1.21後楽園ホール」
の観戦記
の番外編です。
前回もちょっとお話しましたが、この日は応募してみたファンクラブの撮影会に当選したのでちょっと早めに現地入りしたんです。おかげで選手の会場入りが結構見れたわけだったのですが、その一方で、実はこの日はひょんなことから、こんな出来事がありました。それは・・・
それは着いてちょっとしたくらい・・・息子の三世が後楽園ホールの入り口付近で、ファンの方が机に座って何かをしている様子を発見したことに端を発する。
ん!?プロレス総選挙のときみたいなアンケートでもやってるのかな?しかしテレビカメラがあるな・・・やがて気になりし三世が偵察に。戻ってくると
「お父さん、あれ水曜日のダウンタウンみたいだよ。内容はわからないけど」
す、水曜日のダウンタウン!?
そうかぁ~。ずいぶん前になるが実はボク自身も、過去にこんなことがあったっけな。
あの番組って結構、プロレスネタを取り上げるんだよなぁ~。今回は何やってるのかな?
なんて思いに耽っていると、なんかお父さんとこ来そうじゃない?と三世。うん、そんな空気を感じるなぁ・・・しかし、今日は撮影会と、この選手の入りが見たいから、一応遠くに行ってましょう。と三世と一緒に距離をとります。しかし、16時を過ぎた頃。続々会場入りするレスラーを見、すっかり盛り上がりそのことを忘れていたときでした。気がつくと
「あの~すいません。こちら水曜日のダウンタウンという番組の・・・」
という腰の低い方が目の前に。あ、あら・・・結構な間合いを取っていたんだけど、来たかぁ・・・
この腰の低い方に連れられ、中に。ここで立ち話ほどの簡単な説明をされる。プロレス関係の何かの題に答えるようだ。
そしてカメラも来て、今度は撮りながら説明を交えたお話をされる。イスに座る前に立ったままカメラを向けられ、質問をされる。ここで・・・ボクはマスクを取り出し被った。ああそうか、今日このマスクにしたのはこのためだったのか。これはやっぱり昨夜のあれが虫の知らせだったのか・・・
ここで話は前日の夜へ遡る。
明日は憧れの彼と念願の初デート。どんなお洋服を着ていこうかしら?と心が弾む乙女よろしく、待ちに待ったFANTASTICA MANIAにボクはどんなのを被って行こうかな?とマスクを吟味していた。
ルチャリブレだからさすがにマスクド・スーパースターはないなぁ。ここはメキシコの帝王エル・カネックで行こうか。しかし、いくらレジェンドになってからCMLLに出場はしたことあるにしろ、昭和のファンのボクとしてはUWAだったカネックのマスクをCMLLに被っていくのは80年代にミル・マスカラスのマスクを被って新日本を観に行くくらい気が引けてしまう。なんて今のファンが誰一人として気に掛けない点にこだわりカネックを躊躇。
では、ハルコン・ドラダはどうか?この名前を聞いて、あ!ってなるようなら、これは相当ド級なルチャマニア。日本にも来たことないし、もはやネットで検索しても出てこない昔のルチャドールだ。当然ボクも動いているところは見たことがないし、マスクは色ちがいなので、おそらくボクのはハルコン・ドラダ二世?のかもしれない。しかし鷹をモチーフにしたこのマスクがカッコよく、とても好き。マニアックだし、これにするか~。
と、マスクを用意し床に着く。しかし、1時間もしただろうか?なぜだかパッと目が覚めた。そして・・・
「なんか、ちがう気がする」
と、ムクリと起き上がり、ふと目をやる。マスクが収納してある衣装ケースが呼んでいる。開ける・・・ああ、おれを呼んだのはキミか!?キミなんだなブラソ・デ・オロ!!
ブラソ・デ・オロ・・・メキシコでレスラーだったシャディト・クルスの長男。三男のブラソ・デ・プラタとのロス・ブラソス、次男のエル・ブラソとのトリオ、ロス・モスケテロス・デル・ディアブロではメキシコで大活躍した有名なルチャドールだ。日本へは81年に新日本、85年に全日本と、ルチャドールにして日本のメジャー団体両方に上がっている数少ない選手でもある。我々の世代にはプラタとの連携を駆使しての初代タイガーマスクとの対戦が思い出深いし、なによりあの独特のマスクのデザインが好きだった。息子もレスラーになり晩年はCMLLのスタッフとして活躍していたが、しかし昨年2017年4月に66歳で帰らぬ人となった。
そんなオロのマスクが、明日行きたいと言っている。そうか、そうしよう!!
こうしてマスクをオロにチェンジし、当日に至った。というわけでここでオロ装着。カメラが回り出す。
「よく観戦なさるんですか?」
「はい」
「どなたのファンですか?」
「マスクド・スーパースターです」
「今日は覆面されてますが、いつも観に行くときはされるんですか?」
「いつもはそのマスクド・スーパースターのマスクを持って行きますが、今日はメキシコの試合ということで昨年亡くなったブラソ・デ・オロのマスクを意を込めて持ってきました」
「ファン歴は?」
「気がついたら見ていたので、もう40年くらいになります」
「そうなんですか!年齢は?」
「45歳です」
「そうなんですか~。今日は質問というか、こちらの題に答えていただくようなものなんですが、ベテランファンだと簡単にわかっちゃうかもしれないですね。実はですね・・・」
何?ベテランファンだとわかっちゃう?どんな内容なんだ?最近のは無知だけど、古いのなら完璧に答えてやるぜ~と意気揚々に構える。が、次に出た言葉に震撼する。
「アジャコングさんて、ご存じですか?」
「はい」
「アジャコングさんのですね、ペイントを描いていただきたいんです」
へ!?
な、あ、あじゃこんぐのぺいんとぉー!!
驚天動地、古今未曾有(ここんみぞう)そう、ボクらの世代の、かつてのプロレス少年はみな、レスラーの絵を描くのは通り道だった。教科書に出てくる歴史上の人物の顔をレスラーに改造したりするのは当たり前だったし、教科用のノートでも裏側からは落書き帳仕様になってて、授業中でもスキを見てレスラーの顔や技を描いたりしたものだった。猪木、タイガーマスク、いろんなマスクマン。そしてもちろんカブキやウォリアーズなどのペイントレスラーだってそうだ。絵だけじゃなくて、実際に自分の顔に絵具で描いて母ちゃんに呆れられたりもしたもんさ。だからだいたい、ボクらの年代のファンはペイントレスラーも見当がつくもんだった。
しかしアジャコングとは・・・そりゃ女子プロレスも見てたけど、アジャコングの絵を描こうなんて思ったこともないし、意識してペイメントを見たことなんてこれまで一度もなかった。だからこれはさっぱりわからないぞ・・・
ちなみにこちらはオーディション合格直後、まだデビュー前のアジャコング(右)
テーブルとイスがある方に通される。座ると先ほどの腰の低い質問の人とは別な人と変わる。開口一番
「あれ?プロレスラーの方ですか?」
「いえ、ファンです」
「え?プロレスラーじゃないんですか?」
「ファンです・・・」
ま、まあ気分は悪くないけど・・・
そんなやり取りの中、これに描いてくださいとアジャの顔イラスト、ペイントなしを渡される。うむぅ、これか・・・
イラストを見つめ知識を総動員させる。本当にまったくわからないが、とりあえずアジャコングに近いペイントを脳内検索してみる。するとなぜかホーク・ウォリアーとアルティメット・ウォリアーの顔が脳裏を過った。潜在意識にあるこのふたり。ペイント的に近いのかもしれないが、でも、なんせ根拠がないからなぁ・・・なんとも言えない。
色、う~ん確か青と赤はあった・・・はず!?で、上下に別れてた?ダメだ、わからない、あまりにもわからない!!もはや前世を思い出すよりも困難だ。うぬぅ~まさかプロレスで、こんなに追い込まれる日がくるとはっ!!
イラストとはいえ、人生において、かつてこれほどアジャコングと見つめ合ったときがあっただろうか?というほどの時間ガン見するが、とうとう思い浮かぶはずもなく、そしてついにタイムアップを迎える。うぬぬ・・・気がつけばアジャコングのペイント、明らかに50代なのに、歳聞かれると最終的に30代~♪って言ってる田舎の熟練ホステスみたいな顔になってしまった・・・
正解を見せられる。あ~、あ、こうだったっけ~!!なんて反応できればマシ。なんせ正解を認識できるほど元々がわかってなかったから
「アジャコングってこんなペイントだったのか」
という気持ちしかなかった。あああ・・・
そして迎えた放送日。その題は
「アジャのペイメント本人以外誰一人正確に描けない説」
だった。
当日に、そもそも映るのか!?というのと、あんな絵が使われたらどうしよう!?という思いが交差する中、この題を見てちょっとホッとした。しかしやっぱり不安だなぁ・・・
そうして見ていると、数秒間ながらテレビ画面にブラソ・デ・オロが!!う、映った!!
しかしここだけで終わった。自分的には一番よかった出方だ・・・よかった~。
そして本放送を見て、改めて思う。やっぱりみんな描けていなかったか・・・
プロレスというジャンルは実に幅広く、ファンにはそれぞれ得意分野があるから、得意分野に当たれば、というのが確かにある。だからこういう結果は仕方ないのかもしれない。でも、それにしてもほぼ正解に描きあげた東京03の豊本さんは、すごいと思った。
あの日、ボクは結局、描けなかった。でも数秒でも全国の電波に乗れたのは、きっとオロがCMLLの大会を介しアジャコングのペイントへ導き、こうした結果を与えてくれたのではないかなと・・・今年観に行こうとチケット取ろうと思ったときから、もう導かれていたんだろうと、ボクはふとそんなことを思った。そして、プロレスは試合を見るだけじゃないんだという、いろんな分野があって、いろんな楽しみ方があるんだと、そういうことを改めて教えてくれたんだと・・・そんな気がした。
ありがとうオロ
最後までありがとうございました。