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Channel: 団塊Jrのプロレスファン列伝
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勿忘草 ~一花目~

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どうも!!流星仮面二世です!!


さて、小学生の頃に持っていたドラえもんのコミックスに、のび太とドラえもんが記憶を失って困っていた人に出会い、なんとかしてあげようと


"頭を叩くと忘れた記憶を目から映写させ思い出させるというとんかち"


を持ちいて、記憶を戻し助けてあげようとする話がありました。


ドラえもんは、記憶は脳内ではタンスのようなとこにしまわれていて、開かないから取り出せない、思い出せないんだと・・・だから開かなくなった引き出しを後ろから叩いて、タンスを叩き開けてやれば記憶が出てくる、甦ると、記憶の説明をします。そして、これはそのためのとんかち(とんかちと言ってますが、サイズは掛矢(かけや)というやつくらい)なんだと言います。しかし引き出される記憶はどの記憶かは選べず、まばらであることと、やり過ぎるとバカになってしまうという欠点があることも説明しています。


今じゃギリギリですが、実際のストーリーは最後に言うのび太のセリフとオチに笑えます。まあ、そこは気になった方には各自調べといただくとして・・・


実際、日々生きていると、人間は過去の事は忘れていってしまうものです。しかし、あることをキッカケに意外な記憶が甦る、そんなことがあります。まさに開かなくなったタンスの引き出しが、何かをキッカケに開くんです。今回はその1回目のお話です。


先日、ボクは


あのとき、プロレスにはグランプリがあった パート4


というシリーズのお話をアップしました。


85年のIWGPを振り返り、読んでくださった方もいろいろ記憶が甦ってきたようで、ボクもうれしく思っていました。


しかし、ここで予想外の思わぬ記憶が甦ってきました。そう、こちらのコメントでちょっと話題になっているアンドレの正拳突きのお話です。アンドレの正拳突き、それは・・・


まず布石となった独断小僧さんのコメントです。


『そうそう、一つ思い出した事があります。この時だったか、あるいは翌年のIWGPチャンピオンシリーズだったか、ちょっと記憶が曖昧なんですけど、シリーズ前にアンドレが調整のために沖縄入りして、トレーニングしてる姿が東スポに載ってたんですよ。

でも沖縄は梅雨入りで雨続きになってしまって、あんまりトレーニング出来なくて、アンドレが怒ってるという(笑)

仕方なくアンドレが猪木スペシャル(新日から出てたトレーニング器具でゴムチューブのやつ)を使ってアームカールしてるという写真が載ってたんですけど、あまりにも負荷の軽そうなトレーニングで、ちょっと笑ってしまった事がありました。』


IWGPがきっかけとなり、沖縄入り、そしてトレーニングという言葉が出てきました。これがドラえもんの秘密道具であるとんかちとなり、みなさんの記憶が引き出しから放たれコメントを誘発します。


続くレガさんのコメントです。


『独断さん、それ憶えていますよ!前田戦の後ですよね。東スポだったかには沖縄で空手特訓に明け暮れたと書いてあり、その後しばらくカウンターの鉄拳をフィニッシュ技に使っていた記憶があります。』


独断さんのコメントを受けレガさんの記憶からは空手特訓、カウンターの鉄拳というのが出てきました。


そしてaliveさんのコメントです。


『アンドレの沖縄は86年大会の一つ前のシリーズで空手を現地の達人に習ったとかでクラッシュギャルズみたいなカウンターのボディへの正拳突きで猪木をタッグで押さえ週プロの表紙に「IWGPが楽しみになってきた」との見出しが踊っていた記憶があります。アンドレも相当語れるレスラーですよね。』


86年の大会のひとつ前のシリーズ、クラッシュギャルズのようなカウンターの正拳突き、そして週プロです。


クラッシュのダブル正拳みたいな技って、もしかして!?


ボクは東スポこそ読んでませんでしたが、みなさんのコメントによって自身もアンドレの正拳突きを「あー!!そういえばやってた!!」っという感じで思い出しました。確かにアンドレはこの攻撃法を使っていました。


では一体、それはどんなものだったのでしょうか?追ってみましょう。


まず独断さんが85年か86年のどちらかのIWGPという言葉にて引き出されたそれを調べてみます。するとこれは、aliveさんのコメントに在りますように85年のIWGPでなく86年の方に絡んだものでした。


ボクは86年当時の週刊ゴングは所有していないので、その点ではなんとも言えないんですが・・・このラインの週刊プロレスはあったので、当たるところを読み返してみました。


すると、独断さん、レガさん、aliveさんのコメントに含まれるとおり、この86年のIWGPシリーズのひとつ前のシリーズ、あの伝説のアンドレvs前田戦が行われ、そして"押すだけのシンデレラ中年"と言われたマネージャー若松のプロレス復活劇、猪木、上田vsアンドレ、若松戦が行われたビッグファイター・シリーズとの間ですね。アンドレの沖縄遠征は、このビッグファイター・シリーズが終わり、86年IWGP開幕までの間に行われていたようでした。


しかしビッグファイター・シリーズと86年のIWGPのシリーズの間では、週プロではリアルタイムでのこのアンドレの沖縄での空手の写真、記事等は出てきませんでした。重ね、ゴングの方がわからないのでなんとも言えないんですが、沖縄を現地取材したのは東スポだけ、東スポの特ダネだったのかもしれませんね。


その後、それから日が経ち5月16日、86年のIWGPが開幕します。開幕戦となったこの後楽園ホール大会で、アンドレはワイルド・サモアンと組み猪木、上田と対戦します。アンドレは、ここでウワサの正拳突きを初公開しました。


これが新兵器、アンドレの正拳突きだ!!アンドレは猪木、上田に代わる代わる見舞い威力を見せつけた


この開幕戦はテレビでも放送されたので、画像を見てピンときた方もいたと思います。アンドレ、確かにやってましたね~。


やがて週プロ発売日。そこに出ていた86年のIWGPの参加選手紹介では、正拳突きの詳細がいよいよ明らかにされていました。


IWGP参加レスラーの紹介文。文章を拡大してみると・・・


沖縄でのことが記されていた


ビッグファイター・シリーズでの前田戦以降は動きが悪くなってしまったアンドレでしたが、記事のように沖縄でしっかり静養も取れたようで、このシリーズでは軽快さが戻り新しい必殺技の正拳突きを試合で遺憾なく発揮。シリーズをこなしていきながらIWGP優勝をも狙う形となりました。


新・必殺技は大型の坂口にも効果大!!


5月22日、広島・福山市体育館では木村にヒットさせながら反則負け。だが脅威は十分発揮していた


しかし、シリーズの後半にはアンドレはこの技を見せなくなってしまいましたよね。


歴史的快挙となった6月17日の愛知県体育館での猪木戦では、ついに一度も出さず終わってしまった


結局、このIWGPがアンドレが新日本へ参戦した最後のシリーズとなりました。新日本でのこのシリーズの他、以降在籍したWWFではもちろん90年代に全日本へ参戦してきてからも、アンドレがこの技を使用したことはありませんでした。アンドレの正拳突きは、まさにひとシリーズだけの幻の技となり、いつしかファンの脳裏からも消えていってしまったんですね。


あったことすら忘れてしまっていた出来事が、ある日突然、ほんの小さなキッカケで、あなたの脳裏から甦ることがあります。人間の脳は、小さなタイムマシーン・・・なのかもしれません。



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