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Channel: 団塊Jrのプロレスファン列伝
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勿忘草 ~二花目~

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どうも!!流星仮面二世です!!


日々生きていると、人間は過去の事は忘れていってしまうものです。しかし、あることをキッカケに意外な記憶が甦る、そんなことがあります。まさに開かなくなったタンスの引き出しが、何かをキッカケに開くんです。今回はその2回目のお話です。


もう8年も前・・・ボクはこんなお話を書いたことがありました。


週刊プロレス・なつかし広告大賞


そう、プロレスに熱中していたあの頃は、テレビ意外で情報を得たいため、なけなしのこづかいを叩き雑誌や本を買ってはよく読んだものでした。


そんな中、表紙の裏表、ペラペラとめくられるページの中から目に入ってきたのは広告ページでした。それは読んでいるといいタイミングで目に入ってきては、自然と刻まれていく記憶でした。


だから今見ると


「ああ!!これあったっけなぁ~」


「こんなのあったの見るまで忘れてたな」


というような、ピーンとくる衝動に見舞われ、なんだかなつかしい気分になるものでした。


そんな人の記憶ですが、中には


「そういえば、あのときのあれは、なんだったっけかな!?」


というような、思い出せず心に引っ掛ってしまうものもあります。昔、確かに見たもの。でも思い出せそうで思い出せない・・・あれ、なんだったかなぁ・・・


そのコメントをくれたのは武藤刑事さんという方でした。武藤刑事さんの記憶の断片。それは・・・


『実はどうしても思い出したい思い出せない週プロの広告がありまして

団魂Jrさんなら解るかもと思いましてコメント残させてもらいました。その広告というのは、白人でヒゲの中年男性(ブロディっぽい風貌だが、ブロディには似ていない、長髪ではないパーマの伸びたような髪型で茶色の髪)が、中途半端なカンフーのような構えをした写真が大きく載っており、まだら模様のバギーパンツ(長ズボン)を穿き、タンクトップだったかTシャツだったかを着て(色は覚えてない)そんな広告です。当然興味も沸くはずも無く、流して読んでいた程度なので、何を売りたい広告なのかもわかりません。週プロの広告ページでカラーであったことは間違いありません。思い出せずに歯がゆい思いをしております現在。お助け願います。今後も頑張ってください!』


というものでした。


こ、これはぁー!!プロレスを愛する人が困っているのを見逃すわけにはいきません。流星仮面二世の名にかけて、広告、探してみましょう!!


ということで、コメント中にもありますので週プロを探索してみます。飛び飛びですが、創刊号から始まって、だいたい約400冊は所有しています。これだけあれば・・・と思いましたが、実のところボクの頭の中はハテナが過っていました。


毒を食らわば皿まで、とは言い過ぎかもしれませんが・・・おそらく、ここを読んでいる方もそうだと思います。そう、プロレスファンがプロレスの他、地方の会場名やテレビ中継でのCMまで覚えてしまうように、週プロの広告も然りでした。なので忘れていても、ある程度内容を聞けば大概は「あー!!」となるはず・・・なんでした。


しかしこの広告には覚えがない・・・これだけ特徴を知ってもピンとくるものがなかったのです。なんでだろうなぁ?でも、ざっと30年前以上の話。単にボクの記憶が欠落しているだけかもしれません。とにかくここは古いのの裏表紙から見てみることにしましょう。


アートネイチャーの衣笠の初登場はNo.5かぁ


スズキのマー坊はNo.39まで

悪役商会のアルギンZはこれの他、女性が端にいるバージョンもあったな

いやぁなつかしさについ浸ってしまうな。しかし、うーん、ないなぁ・・・もしかしたらもうちょい後年かな?80年代末から90年代はどうだろう?

この頃になると初期とちがいトレーニング用品の広告が増えましたが、やっぱりアートネイチャーが多いですね。

大場久美子、かわいいなぁ


名曲"砂に書いたラブレター"のパット・ブーンも登場

ビジーフォーかぁ。フジテレビものまね全盛期、あったね

しかし、うーん、やっぱりそれらしいものがないなぁ・・・武藤刑事さん、何か他に覚えていたりしてないだろうか?


当時は、DELUXプロレス、週刊ゴングとプロレスを配達してくれる本屋さんから毎月毎週買っておりました。ですので、よけいに記憶が入り混じっておりまして・・・』


うむぅ~なるほど!!週プロ以外にDELUXプロレス、週刊ゴング、プロレスを講読かぁ。


『裏表紙にも、裏表紙の裏にも、載っていたことがあったと思います。中の広告にも色んなページに載っていたと思います。カラーであったのは間違いないと。1ページを丸々使っていたのも間違いないと思うんですが。時代さえはっきりすれば良いのですが、それもあいまいでして・・・無理矢理思い出してみたんですが、佐山タイガー引退前後~Uインターvs新日ぐらいだったと思います』


なるほどなるほど!!週刊ゴングは裏表紙、見事なまでに日本ボディビル協会ばかりなんで、やっぱりベースボールマガジン系なんじゃないだろうか?ご記憶範囲は広いですが、察するに広告的に昭和ティスティな気がします。ということで週プロからの流れで、まずは月刊プロレスから見てみるか。と、手に取った1冊目・・・あ!?あれれ!?


あれれれ!!


白人でヒゲの中年男性!!ブロディっぽい風貌だが、ブロディには似ていない!!長髪ではないパーマの伸びたような髪型で茶色の髪!!


中途半端なカンフーのような構えをした写真!!大きく載っている!!


服装は、まだら模様ではないが光りの加減でまだらに見えなくはない。足首にフィットするタイプのズボンなので確かにバギーパンツにも見える!!


そして素肌に溢れんばかりの体毛が!!まるでタンクトップかTシャツを着ているように見えるッ!!


いや、それはちょっと強引!?


しかし、これに間違いない!!あったー!!


けど、これは一体・・・!?


その名称は「モンテカルロ マジック スリム スーツ」とありました。ダイエット用品のようです!!


で、モデルになっているこの男の名はボブ・キング氏。どうやら発案者のようです。


一見するとレスラーのようなキング氏とは!?

キング氏は地力、独学で大学を卒業。卒業後わずか1万5千円ほどの資本金で事業を始め、7年後の30歳当時には億万長者になったとあります。実業家であり発明家で技術者でもあるキング氏の取得特許は200以上。スポーツマンでもあり、50回以上もの世界旅行をも経験しているともあります。その旅先のモンテカルロで、このスーツを発見(発明でなく発見とある)それ以来キング氏の減量法は世界中の人々の健康作りに貢献してきたと、こういうわけなんですね。つまりは好奇心旺盛なやり手の実業家ってとこなんでしょうね。

スーツの方は、身体や肉体に素晴らしい効果のある特別に製造され処理された素材"ダーマテックス"を用いて極めて巧妙に作られている、とあります。このスーツを着けてリラックスしていればサウナやスチームバスにいるように発汗を促進してくるので、気になる部分の脂肪を減少させヤセられると、いうことなんですね。

ちなみにこのスーツの素材にある"ダーマテックス"ですが、調べたところ素材単体では発見できませんでした。しかし手術や医療に用いられる特殊合成ゴム手袋の品名としてその名を見ることができました。この素材名はポリクロロプレン。天然ゴムよりも熱、油からの耐性に優れ劣化しづらい材質の合成ゴムだそうです。医療以外だとベルトコンベアや高圧電線を覆っている部分などに使われるものなんだそうです。なので、おそらくここで言うダーマテックスはポリクロロプレンのことを指していたのではないでしょうか?

なるほど、それなら理屈が通りますね。これをダイエットスーツにすれば確かに発汗は期待されます。本来、医療用や工業用でしかなかった合成ゴムをダイエットスーツにしてみたら?と、形にしたのがキング氏であるなら、これは本当に評価しなければなりません。

と、話はだいぶ反れてしましたが、本来の疑問であった広告は存在し、掲載は週プロではなく月刊プロレスの方だったということが判明しました。

これで武藤刑事さんのモヤモヤもスッキリ解決・・・と、本来終わるところがなんと!!調査の結果、実はキング氏は週プロにも登場していたんです。

それがこれです!!


あ!!

ああーこれ!!と思った方も多いはず。そう、この週プロの裏表紙でよく見かけた育毛の広告の男こそキング氏だったのです!!



うぉぉ・・・

驚くべきことにキング氏、月刊プロレスでのダイエットものでも週プロの育毛ものでも、そのプロフィールがまったく同じだったのです。ということは、もしかするとキング氏は本当に様々な分野で開発をし多様に特許を持っていた発明家だったのかもしれません。

肥満にハゲ・・・それは科学がいかに発達しようとも、人類がどうしても克服できない永遠のテーマ。そんな難題を解消する商品を遺憾なく世に送り出してきたキング氏。今も地球のどこかで、意欲を燃やしているのかもしれませんね。

あったことすら忘れてしまっていた出来事が、ある日突然、ほんの小さなキッカケで、あなたの脳裏から甦ることがあります。人間の脳は、小さなタイムマシーン・・・なのかもしれません。

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