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Channel: 団塊Jrのプロレスファン列伝
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ボクは、ここにいる

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どうも。流星仮面二世です。

今回のお話は本当に、本当に私的な内容です。だから、おもしろくはありません。でも、もしかしたら・・・ネットの中で誰かと関わることがある以上、みなさんの身にも同じようなことが起こりうるかもしれません。いや、すでに起こったことがあるかもしれません。そんなとき、どうしたらいいのか?どんな気持ちになるのか?自分ならどうするのか?そんなことを考えながら、ちょっとでも目を通していただけたならうれしく思います。

ボクがブログと出会ってから約15年になります。始まりは2005年9月16日。このブログをする前にやっていた"お婿さんブログ"が始まりでした。

当時はブログが日本で認識され広がり始めた頃。いわゆる"ブログが流行"し出した時期でした。

その頃は、このAmebaですらサービス開始して1年目。まだ芸能人のブログは少なく、一般人の書くブログの方が先行していたように感じます。書かれる内容はいろいろでしたが、学校や仕事のこと、家庭のこと、今、自身が置かれている環境のこと・・・自身の周りの出来事、日常生活を表したものがほとんどでした。

中でも多かったのは夫婦のやり取りや子育てのことを中心とする"主婦の方が家庭のことを綴ったブログ"でした。

その中身は、言葉は悪くて申し訳ないんですが、この人、こんなんでよくブログやろうと思ったな~とあきれてしまう心底つまらないものから、文脈が素晴らしく、分かりやすくて深い、自作のイラストなどを交え綴られる凝っているもの、のちに書籍にまでなってしまうようなものまで、それはいろんなブログが見られました。

お婿さんブログをやっていた手前、家庭環境や自分と同じ子育ての環境下が見て取れるこうしたブログには、よく目がいきました。共通の話題も多く、読んでいて共感することも多々ありました。

そんな頃です。ボクはひとつのブログと運命的な出会いをしました。

その方のハンドルネームは"きざお"といいました。

主婦にして"きざお"と名乗るこの女性の書くブログの内容は、11歳の年の差がある旦那さん"ベレー"さんとのやり取りや、まだ幼い長女のちいちゃん。次女のロナウ次女ちゃんとのやり取り。そしてご両親の話題に、自身の若かりし思い出話など・・・それらがリアルタイムだったり回想だったりという感じで展開されていく、そんな感じのものでした。

ここだけ聞くと、なんだ。先に言ってた"主婦の方が家庭のことを綴ったブログ"じゃないか。と思うかもしれません。しかし、そのファーストインパクトは、まさに衝撃でした。

それはブログのタイトル画像こそ"ひよざえもん"というかわいいひよこキャラでしたが、その題名が

KIZAO THE RIPPER (2005年?月?日~2008年9月14日迄。現在は過去記事表記がひとつのみ)」

だったからです。

これは1888年にイギリスで発生した連続猟奇殺人事件の犯人の呼び名「JACK THE RIPPER (ジャック・ザ・リッパー)」つまり"切り裂きジャック"を意味するもの。そして、そこで駄目押しとばかり目に飛び込んできた最新記事こそ「ゴルゴ13に狙撃される」という題名のものでした。

当時は、主婦の方が書くブログのブログ名といえば「◯◯の◯◯日記」「◯◯と◯◯記」という形状が多かった時代。しかも付けられる記事の題名も今日は子供と何をしたとか、こういうことがあったという出来事に関連したものが主でした。

ところが、ここでは19世紀に起きた世界的に知られる未解決事件の通称がブログ名で、最新記事が「ゴルゴ13に狙撃される」なんです。でもタイトル画像はひよこの武士キャラ、ひよざえもん・・・そそる。あまりにもそそる!!

読めば、その内容は部屋を掃除中、その振動でタンスの上から本が落ちてきて頭に当たったというものだったのですが、その本がゴルゴ13の単行本だった、というものでした。

「これは・・・なるほど・・・なるほど!!」

そう、掃除という日常を伝えたいなら、普通は「今日は掃除をしたので、きれいになった」が、その記事の内容であり"結果"になるはず。しかしここでは、請け負った仕事はどんな困難があろうと必ず完遂する超一級の暗殺者・ゴルゴ13に普通の主婦が狙撃されたことこそが"結果"だったのです。

書き方は、それは長く細かな文章ではなく、どちらかといえば簡潔でした。しかし家庭の出来事に自身の持つ知識を加味し、不二の語り口と文章で読む者を独特の世界で包み込んでは魅了するという、あまりにも卓越されたセンスがそこにはありました。

その後、何回かの更新を読み、いよいよボクはコメントをしました。すると、当時まだ自身のブログが広く知られる前だったこともあり、まっさらな状態からコメントが入るのは意外だったらしく

「リアルの知り合いさんかしら!?」

というコメ返しがファーストコンタクトとなりました。こうしてやり取りが始まり、だんだん打ち解けていくと、きざおさんもこちらのブログにコメントをくれるようになりボクらは仲良くなっていきました。

お互いを認識していくと、不思議なことに私生活での出来事やブログネタがかぶったり、あ、次それをやろうと思ってたんですよ~。それ、最近思ってたんですよ~。なんてことが起こるようになり、それは「アンパンマン解体新書」という題名でコラボネタをやるまでに発展しました。それにしても多発した思想・・・よく"時空を超えた遺伝子双子"なんてお互いを言っていましたが、ああいうのもシンクロニシティと言うのかなぁ・・・本当に不思議でした。

しかし、ベースがお婿さんブログというどこか陰湿(!?)で文章もオモシロくなかったボクのブログとはちがい、類稀なる文章センスにしてマメで心地のよいコメ返しをするきざおさんのブログが燻ったなままなわけもなく・・・きざおさんのブログはアクセスが日々、上がっていきました。

当初は、ひとつの記事に対しコメントは2、3件と、まだひっそりとしていましたが、やがてブログは特に雑感・雑記のジャンルで広がりを見せ、ブログランキングでは上位に位置するようになり、ランキングサイトで個別に紹介されるまでになりました。コメントも月を追うごとに増えていき、ひとつの記事を更新すれば20件近くものコメントが付くほどになり、コメント欄は毎回、当時のノリでいうところの2ちゃんねるの"お祭り"状態のようになるようになりました。この頃になるとブログ名も「元祖KIZAO THE RIPPER 白昼夢の切り裂き魔」になり、アクセス数も想像を絶する数値となっていき、果てはオフ会も行われる域に到達しました。きざおさんのブログは、天井知らずの人気ブログとなっていったのです。

すごいなぁ~。コメント欄を介して、ブログからまた別のブログへと枝分かれするように伝わっていってる。で、伝わったとこからまた広がっていくって感じで、ブログの盛り上がりが止まらないや。毎回、閑古鳥が鳴いてるおれのブログとは雲泥の差だ~。よく、そんなことを思っていました。

それにしてもオフ会か・・・そういえばきざおさんとは知り合った頃から、いつか会いましょう!!とやり取りをしていたっけ。おれもいつか会えるといいなぁ・・・

その後、ボクは新たなブログ(今のこのブログ)を始めるため2008年4月28日に旧ブログを終了し同年11月27日まで半年間、ブログをお休みしました。

こうして自分は一旦はブログをやらなくなってしまいましたが、相変わらずきざおさんのブログは楽しみにし読んでいました。しかし・・・きざおさんも2008年を境にブログの更新がだんだん減っていき、やがてフェードしていってしましたのです。

あれだけの勢力・・・そう、あれは勢力と言っていいと思います。絶大な勢力を誇っていたブログでしたが、それが強くなりすぎたためセーブしたのか?それとも家庭のこともありセーブしたのか?この時点では、まだ個人的に連絡を取り合うまでにはなっていなかったのでブログ失速の理由は定かではありませんでした。かくして、ボクもきざおさんもブログが止まってしまったので、ブログを介したコミュニケーションはここで一旦消滅してしまいました。

でも、それは唐突でした。ある日のこと

「今度、家族で東京へ旅行へ行くのですが、もしご都合よろしければ、どうでしょうか」

というメールがきざおさんから来たのです。

このときには直接連絡を取れるようにはなっていましたが、ブログが終わっていたのにもかかわらずこう言ってもらえたことを本当にうれしく思いました。ボクは、もちろん大丈夫です!!行きます!!と即答しました。

東京に家族で旅行となると浅草かな?でもお子さん小さいからお台場とかかもしれないな。と考えながら、ちなみに東京はどちらへご旅行ですか!?と問うと

「東京ドームホテルに宿泊するのですが(来るのが)大変ですか?」

というお返事が・・・と、東京ドームホテル!?それは水道橋じゃないか!!

きざおさんはプロレスファンではないのでプロレスのことはほとんど知りません。なので水道橋とプロレスの関係性なども当然わからない状況でした。だから偶然、東京旅行に東京ドームホテルを選んだのです。

なんという因果・・・初めて来る東京に選んだ場所が、おれが通いなれた聖地だったとは!!本当に遺伝子双子なんじゃないか!?そう思わずにはいられませんでした。

こうして2009年2月21日、きざおさん一家と東京ドームシティでお会いしました。

ブログを介して人と会うのは2007年1月のらんぞうさん以来2回目でしたので緊張しました。しかし対面すると、その緊張もすぐに消え、うれしさに溢れました。ボクらの好きだった漫画のジョジョの奇妙な冒険のジョセフ・ジョースター風に言えば

これから会う女性は初めて会うのにずっと昔から知っている女性・・・そう・・・わしは・・・ずっと知っていた・・・わしはこいつのことを産まれた時からずっと知っていた・・・なつかしい相手ではない・・・産まれた時から会うべき相手として・・・

でした。やっと会えた!!と心から感激しました

そしてブログ中で"ベレー"と呼ばれていた11歳年上の旦那さん。長女のちいちゃん。次女のロナウ次女ちゃんの、おふたりの娘さん。ブログに登場していたご家族とも顔を会わせました。

これがブログで読んでいたご家族か。あの楽しく仲のよいご家族か・・・もちろんブログを通して知っているんですが、ひとりひとりの顔を見ると、そういうのとはまたちがう意味で知っていたような気がしました。それはとても不思議な感覚でした。

挨拶をすると東京ドームホテルの最上階にあるレストランに行き、お茶をしながらいろいろなお話をしました。ブログのことはもちろん、ブログ以前のこと、これまでの人生のことなど・・・たくさん話しました。ご都合があったので対面できたのは2時間にも満たない短さでしたが、それはかけがえのない、ものすごく大きい時間となりました。今度会うときは、もっとたくさん、ゆっくり話しましょう!!そう約束し別れました。

その後もやり取りは続き、やがてきざおさんは小休止していたブログ活動を2011年1月27日から別の題名、別のハンドルネームで再開しました。今度はこっそりやりますので、私がきざおなことは内緒で・・・と教えてくれたのです。またあの独特の世界観を味わえるんだな~と思うと、うれしくてたまりませんでした。

こうして順調に更新も続いていきましたが、しかし2012年12月7日。きざおさんのブログの更新は突然止まってしまいました。ここでは理由は書けませんが、個人の事情によりブログを継続ではなくなってしましたのです。

それでも個人的にやり取りは続きました。年に一回か二回のメールでのやり取りだけになってしまいましたが、家庭やお子さんたちの近状などを話したりしていました。

しかし・・・2018年6月18日。それは大阪府北部地震があった日でした。きざおさんは大阪在住だったため、ボクは「大丈夫でしたか!?」と、すぐメールを送りました。でもメールは何度送っても「ユーザーが見つかりません」と返ってくるばかりでした。

「おかしい・・・なんか変だ!!」

電話も通じずショートメールもしてみましたがダメでした。家のパソコンのメールにも送りましたが、やはり届きませんでした。

その後も日を置いて何度かメールしてみました。でも、それは焼石に水・・・一度こうなってしまうと届くはずはないのです。

そんなことはわかっていました。でも、送らずにはいられませんでした。つい半年前にもメールしていたのに、わずか半年後にはまったく通じなくなってしまうなんて・・・そんなことは信じたくなかったからです。

我に返り大阪府北部地震を調べましたが、きざおさんに該当する人物が関連していることはありませんでした。これが原因じゃない。何か別の理由が、この半年に起きてしまったんだ。そうとしか考えられませんでした。

でも、ボクはきざおさん以外のご家族の連絡先はわからないし、共通の友達もいません。本人はSNSは一切やっていなかったので、そちらから足取りを辿ることもできません。だから、わからない・・・どうしていいかわからないんです。もう、なす術がないんですよ。どうしていいか、わからないんです・・・

今、通信できているものが途絶えてしまったら、本人と途切れてしまったら、もうどうしようもないのだろうか?そこで終わるしかないんだろうか!?ネットで出会った人とは、最後はみな、こうなってしまうんだろうか・・・

いやだ。そんなのは絶対にいやだ。

最後にメールした2018年元旦のメールの返信。その最後のメールに書かれていた

「アメブロでブログしていた時代が懐かしい
きっどさん※だけは変わらずお付き合いいただいてありがたいです
今年もお互い身体を労わり仕事頑張ろうね
※最初のブログのハンドルネーム

その言葉が頭を何度も過りました。

あれが何かの暗示だったなんて思いたくない。ボクはここにいます。あの頃からずっとここにいます。だから、いつか「携帯のデータ飛んじゃいまして」なんてひょっこりと連絡が来る日を、また繋がる日を・・・待っています。いつまでも待ってまいす。

ボクはここにいますからね。


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