どうも!!流星仮面二世です!!
開運!なんでも鑑定団を見てくださった方、本当にありがとうございます。
いや~改めて自分を見ると、緊張しているわ田舎丸出しだわで・・・本当にお恥ずかしい限りなんです。しかもテレビ始まるまでがもぉ~ド緊張で・・・まいっちゃいました。
さて、本編では・・・まあ、あんな感じであったのですが、実際、収録当日には一体どんなことがあったのか?今回はテレビでは出なかった、そんな裏の模様を交え振り返ってみたいと思います。よろしくお願いします。
ついに会場入りとなった。すでに一般観覧の方が席を埋め尽くしている中、出場者の席は最前列。出場順に座るとスタッフの方より本日の説明がされ、いよいよ原口あきまささんと永浜いりあさんの登場となった。
拍手の中をさっそうと登場した原口あきまささんは早速、代名詞で十八番の明石家さんまのモノマネを披露してくれた。いやー・・・最前列の、こんな至近距離でモノマネ見れるなんてなんて至福♪そういえば原口さん自身もプロレスのファンで、蝶野のモノマネは神がかりだった。今日の巡り会わせはやはり因果か!?
そして・・・永浜いりあさんだ。通常、ちょっとテレビにではお目にかからないが、釣りの世界では有名な方なので、ボクなんかは知っているどころかファンの領域。まさか今日、生で見れるとは夢にも思わなかった。それにしてもフィッシング・ウェアに帽子被って、釣竿もっている姿しかイメージにないので、今日のお姿には驚愕だ。さすが元レースクイーンにして10代目ミニスカ・ポリスの過去を持つだけのことはある。ステキ♪
さあ、司会も揃って、かくしてなんでも鑑定団の幕は切って落とされた。
トップバッターは山口県から来た同志、プロレスファンの主婦の佐伯さんだ。
鑑定する品物はなんと橋本真也本人が試合時、コールと共に客席に投げたハチマキ!!しかもサイン入りだ。なにも言うことはない・・・時は来た!!それだけだ!!
本人評価額、2万円と出されたこの品物、判定額は・・・なんと10万円!!
この瞬間、ボクの頭の中に爆勝宣言が流れていたのは言うまでもない。破壊王がこの世に残したハチマキ・・・その闘魂は佐伯さんに伝承されたんだ!!
初陣を飾った同志のプロレスグッズが幸先のいいスタートを切った。さあ、続けぇ!!
続いて出てきたのは野球グッズで、佐伯さんと同じく山口県から来た渡辺さんだ。
スポーツは格闘技とプロレス以外、ほとんど見ないため野球の知識はまったくないボクだが・・・そんなボクでも知っている驚愕の鑑定品は、なんと炎のストッパーといわれた伝説のピッチャー、津田選手のユニフォームとグローブだ。
本人評価額、20万円と出されたこの品物、判定額は・・・なんと驚異の90万円!!
ちなみにこの渡辺さん、お話が大好きで、プロレスもかなり詳しい方でした。特に山口県出身ということで、同郷の佐山聡には詳しくて・・・ボクがタイガーので出ますと話すと、なぜだか新日本プロレス時代の初代タイガーの裏話なんかも知っていて・・・うーん、一体、何者だったんだろうか!?
続いてはバスケットボールから、なんとバルセロナオリンピック時に結成されたNBAのドリームチームの全選手のサインが書かれたバスケットボールを引っさげ登場したのは小川さん。ジョーダン、ジョンソン、ロッドマン・・・まさに全盛期のNBA、アメリカンドリームが大洪水なシロモノだ!!こりゃもう、この時点ですごい!!
本人評価額、50万円と出されたこの品物、判定額は・・・天地創造、仰天境地の100万円!!
ボクは思わず戻ってきた小川さんに、やりましたねー!!と話しかけた。いやーと照れ笑いするその表情にはうれしさが満ち溢れていた。いい、いいなー!!
それにしてもすごい。ここまでみんな完全に上り調子だぁ・・・すごいなぁ・・・と、微笑ましい気分になるもつかの間、ついに自分の出番が来てしまった。
「次は学生時代よりプロレスラーに憧れ、プロレスラーになりたかった、茨城県よりお越しの広原さんです」
名前を呼ばれ、拍手の中とうとうステージに立ってしまった。
先に出番を迎えた人を見ていたときは、出場者を撮影しているカメラってすごく近くから撮るもんなんだな・・・なんてちょっと思った程度だったのだが、いざ自分がその場に立ってみると、その距離わずか1メートルちょっとくらいだろうか?顔や上半身を撮るときのテレビのカメラって、実はこんなに至近距離から撮影されるものだったのかと驚いた。そして、同時にスタジオのテレビライトが想像を絶する熱量だったのにも驚いた。たとえるなら毎日、じめじめとしている梅雨時期の曇り空に、何日かぶりに一瞬日が差したような・・・そんな暑さに似た熱だった。
テレビカメラ、ライト・・・こんな、普段の生活上では絶対にありえないシチュエーションにボクの緊張感はみるみる増した。さらに駄目押しとばかりに、司会の原口あきまささんと憧れの永浜いりあさんが両隣に立ちマイクを向ければ、緊張の度合いは戦後敗戦し何もなくなってしまった焼け野原の状態からGNP世界第2位へと上り詰めていった、あの日本の高度経済成長を髣髴させる、まさに精神の高度経済成長期状態と化した。
そんな中、やり取りが始まった。
この鑑定大会は放送されるより、実際に行っている収録の方が長い時間を要する。出場者ひとりあたり、だいたい20分から25分前後で行われ、司会が問いかけ、それに出場者が答えながら進行していくスタイルで行われる。内容は、出場者ごとに自己紹介的要素を含んだこれまでの経緯の話から始まり、お宝オープンとなり、そのお宝の入手経路とお宝についてのエピソードなどを交えながら説明していく。そして本人評価額を提示となり、鑑定後フリップを渡され、じゃかじゃん♪といった具合だ。
ボクの場合は話題はもちろんプロレスが中心だった。幼き頃からファンでプロレスラーになりたかったこと、プロレスが嫁さんと共通の趣味だったことで現在に至ること、憧れのレスラーのこと・・・こうしてお話がひと段落すると、お宝オープンとなった。
オープンし、ここからマスクの入手経路やお宝についてのお話になり、それらを説明すると、いよいよ本人評価額の発表となった。
本当は評価額は控えめに10万円くらいを考えていたが・・・番組担当の方とのお話した結果、ボクは30万円にすることにした。
「どうしてこの金額にしましたか?」
それはまさに正体不明のマスクマンのごとく、まったく未知数・・・あまりにも謎に包まれていた。
確かにボクは持ち主ではあるが、出所や完全な詳細はわからないままだった。なので、もしかすると何の価値もないマスクなのかもしれない。でも・・・本人がもし使っていたものだったら、それこそ想像を絶する金額になるはずだ。マスクを鑑定してくれる東京・水道橋の闘道館の泉さんのお店では、これと同じモデルの本人使用のマスクが・・・記憶が定かではなくなってしまったが、確か100万円超で売っていたのを見たとこがある。そう本人使用なら・・・だって推定25年も前の初代タイガーのマスクで、メッシュ生地で後ろがチャック式なんて、はたして流通していたのだろうか?やっぱり、もしかすると、もしかするんじゃないのか・・・?
「このマスクには昭和のプロレスファンの夢が詰まっていると思っています。なので期待を込めて、この金額にしました」
ボクはそう答えた。そう、どうせなら・・・いや、やっぱり負けたくはなかった。他の誰にも負けるわけにはいかなかった。おれはプロレスファン!!同年代のファンの夢が、ここに詰まっているんだ!!
鑑定が終わり、フリップを渡された。虎だ・・・虎だ!!おまえは虎になるんだ!!
30万超え!!そして100万超え!!いっけーぇ!!
「じゃかじゃん♪5万円!!」
ごーぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉー!!!
そうか、そうだったのか・・・
マスクはレプリカだった。残念ながら初代タイガーが所有していたものではなかった。でも・・・放送ではカットされてしまったが、鑑定してくれた闘道館の泉さんが言うにはレプリカの中でもなかなか出てこない珍しいものだそうで、さらに保存状態がいいということでこの鑑定額、ということになったそうだ。
そう言われると・・・確かにボクの前まで、立て続けに本人評価額超えが連発し、しかも高額だったのでヘコんでしまったが、冷静に考えればレプリカのマスクで5万円という値が付くのは確かにちょっと聞いたことない話だった。いや、そりゃー本人使用であってほしかったけど、これはこれで十分、満足なんてもんじゃないくらいな内容だった。改めてマスクを見、一瞬でも高額を期待し、思い描いてしまった自分のこのギャップに、思わず笑ってしまった。
出番が終わりボクは席に戻った。それはすごく心地のいい気分だった。
このあと現役東大生の斎木さんが、楽天より大リーグに行った田中まーくんのサインボールで本人評価額3万円が15万円!!
そしてこの日、最後となった地頭薗さんが購入額50万円のマイケル・ジョーダンのサイン入りユニフォームを本人評価額50万円にして提示。しかしスタジオ震撼の鑑定額3万円を出し、スポーツグッズ鑑定大会は終了した。
しかし・・・テレビでは放送されなかったドラマが、このあとにはあった。
「では、本日のMVPの発表です」
MVP!?MVPかぁ・・・うーん、これは間違いなく、ボクの隣にいたNBAのドリームチームのサイン入りボールの小川さんだろうな。エピソードもよかったし、お話も上手だったし、なんせ100万円だしな。でも・・・あの橋本真也の佐伯さんに、ここは同じプロレスファンとして取ってほしいなぁ。
自分の出番も終わり、すっかり一般観覧者と化していたボクはそんなことを考えながら、この楽しい時間がもう少し続けばいいのにな、なんて考えていた。
「MVPは、茨城県よりお越しの広原さん・・・」
わーい広原さ~ん♪
って、お、おれぇ!?
名を呼ばれると、この収録中すっとマスクドのマスクを被って応援してくれていたマスクド・スーパースターズから大歓声が上がった。招かれて再びステージへ立つと本当にボクがMVPらしい・・・いや、本当に!?おれなの・・・!?
そうこうしていると、鑑定士してくれた闘道館の泉さんより石坂浩二の書いた絵がカレンダーになっている直筆サイン入りパネルがMVP賞として贈られた。うぉ、なんかこれすげー・・・プロレスファンなら石坂浩二の絵といえば猪木・アリ戦のポスターを思い出すが・・・ここにきておれが石坂浩二の絵を手にすることになろうとは・・・ていうか、むしろこれがお宝なんじゃ?
それにしても予想だにしない結末だった。30万円が5万円になって、最後にMVPとは・・・いや、まてよ!?もしかしてこれは!?
八面六臂のエピソードから急転直下の鑑定額。しかし捲土重来、最後に一発逆転するという、まさに相手の力を9引き出し、10の力で仕留めるという、かつてアントニオ猪木が提唱した、あの風車の理論にも似たプロレスファンのネバーエンディング・ストーリー!!絶対有利の2万5千もの大軍を従えて尾張侵攻をした今川義元に、少数の軍で挑みながらも打倒した、あの桶狭間の戦いにおける織田信長にも似た様相の流星仮面二世の昭和のプロレスファンの生きざまか!!
そーだー生きざま!!見たか・・これが、昭和のプロレスファンの生きざまだー!!
こうして思いもよらない形で、ボクの開運!なんでも鑑定団は終わった。
思えば20年前、会社内の見知らぬ人が着ていた長州のトレーナー。それがきっかけで話しかけ、仲良くなって・・・やがてその人からボクの手に渡ってきたこのマスク。興味のない人には、たかがマスク・・・と、言われるかもしれない。でも、そのマスクが何十年の時を経て、人々を動かした。
会社の人たちに、以前働いていた会社の人たち。遠方から近くまで、今は様々な場所にいる友達。同級生、子供の学校関係、柔道の少年団の関係。そしてプロレスを通して知り合うことができた、全国にいるたくさんの仲間・・・大勢の人がボクに電話やメールやメッセージをくれた。話しかけてくれた。
プロレスを、マスクを通して輪ができたんだなぁ~と思った。そして・・・嬉しかった。