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Channel: 団塊Jrのプロレスファン列伝
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流星仮面二世のひとりごと

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昨年のある一件から、会社内にプロレスファンということがすっかり知り渡り定着してしまったことと、この近年の世の中のプロレスへの再熱が拍車をかけていることで・・・プロレスの話をいろんな方からよく振られるようになった。


「うちの工場にもすごいファンがいるんですよ~」


よくウチの事務所に来る関連会社の方はプロレスファンではないが、自分の受け持ちの方にすごいファンの方がいるらしく、ボクのところに来るたびその話をしてくれる。その人はベテランのファンの方のようだが最近のプロレスもよく見行くようなので・・・1.4でオカダが入場してくるときに会場に舞ったレインメーカーのお札を渡したところ(三世がたくさん拾ったのです)大変喜んでくれたそうである。まだ会ったこともなく話したことすらない、言ってみればまだ見ぬ強豪なファンだが、こういった交流が持てるのは昔から続くプロレスファンの“ノリ”の賜物だと、うれしくなる次第だ。


しかし最近、この話しかけられる内容に少し異変が生じてきている。


会社内外、柔道の少年団の父兄から友達まで、実に様々な方がプロレスの話をしてきてくれるようになったが・・・



ある日・・・


Aさん「何、今女の子のファンが多いんだって?プ女子って言うんだって?」


ボク「え、ああそうですね。最近は高い席とかにも多いですよ。けっこうな人数が見られますねぇ」



また、ある日・・・


Bさん「そういえば今はプロレス、女性が多く見に来るんですか?けっこういるんですか?」


ボク「ああ~けっこう来ますねぇ。女性同士で来てたり、ひとりで来る方もいますね」



またまたある日・・・


Cさん「え~何々?プ女子は、かわいい子いるのか?」


ボク「ああ・・・かわいい子もいますねぇ・・・タオルとか振りかざして必死に応援してますよ」



またまたまたある日・・・


Dさん「なんすか?最近プ女子ってのがいるんですか?どんな女子プロレスラーなんですか?」


ボク「いやぁ・・・あ~レスラーではなくファンの人を言うんですよ・・・」



またまたまたまたある日・・・


Eさん「えーひとりで来る子もいるの?仲良くなれたりするのかな?」


ボク「仲良く・・・どうなんですかね・・・」



またまたまたまたまたある日・・・


Fさん「○○さん、あれなんですか?最近はプロレスファンの女性をプ女子っていうんですか?」


ボク「言うそうです・・・よ・・・」



そしてある日。仕事から帰宅したボクに嫁さんがトドメを刺す・・・


「お父さん、今プロレス好きな女の人をプ女子って言うんだってよ。知ってる?」


んあーなんだぁー!!みんなして人の顔見りゃー!!


おれはプロレスファンであって、プ女子ファンじゃねぇんだど!!



だいたい日本人の悪いところなんだよ。なんでもね、こういう言葉使って、流行らせるんだか流行るんだか知らないが・・・弁当男子やらイクメンやらリケジョやら、三代目J Soul Brothersやら(それはちがうかもしれないが)


とにかくこうやってワード盛って、メディアやマスコミが取り上げて、ボクたちは、私たちは○○で~す♪みたいな分け方をしてしまって、それが盛り上がって行われているように世の中に伝えていくんだ。だからそういうので知った人が、最近はごそっとボクに聞くようになったんじゃないかぁ?


今のプロレスを見ると近年の女性のプロレスファンの功績は本当に大きいと思う。あれだけ瀕しに立たされたプロレスが、ここまで盛り上ってきた背景には、この影響力なくてはなりえなかったと思う。



2007年頃の新日本のリング・・・全盛期を知る者に、その会場の観客席は異様だった


そんな背景から、近年はプロレスに興味を持った女性のファンが増えていって、で、こういった言葉が生まれたんだと思うんだけど・・・しかし女性ファンはこの言葉を望んでいたのだろうか?ファンとして会場に行って、あ、今日はプ女子いるねぇ~。最近はプ女子がね~、あ、あなたもプ女子なんですね!!なんて思われるのは、やっぱりイヤなんじゃないかな?


プロレスを好きになって、テレビや会場で応援する。それは男性でも女性でも関係ないとボクは思う。だから・・・プ女子なんて言い方しないで、


「プロレスファン」


でいいんじゃないかなぁ?


女性ファンというのはもちろん昔からたくさんいた。形となって出現したのはマスカラスの全日登場くらいから、ジャンボ鶴田の若い頃が創世記か・・・テリーファンクの女性人気は会場にチア・ガール隊までいたし、初代タイガーマスクはちびっ子ファンばかりではなかった。新日本に反旗を翻した長州と維新軍の女性人気。それに対抗する藤波も人気あったし、前田や高田は言うまでもなく、バレンタイン・デーのチョコレートの量は伝説でもある。その生きざまで魅了した天龍もそうだった。それこそ女性同士で見に来たりすれば、雑誌で女性ファンの紹介ページなんてのが設けられることもよくあった。



こういうの、あったよね


だが・・・これらの時代から、今だにプロレスファンである女性は、残念ながら一握りに満たないという現実がある。


芸能人でも一般人でも、女性の多くは結婚すると家庭に入ってしまう。家のこと、子供のこと、親のこと・・・ウチの嫁はボクと知り合う以前から会場に足を運んでいたプロレスファンだったが、子供が生まれてからはプロレスに触れられなくなってしまっていた。ボクもそうだった。息子の三世がプロレスファンとして覚醒するまでは、夫婦そろって年に何度も見に行っていたプロレスを、まったく見なくなってしまっていたのだ。


今は家族で、テレビで見るようになった。息子、三世のおかげで観戦にも行くようになった。嫁も・・・本当は観戦に行きたいのに、親が弱っていることもあり懸念しているようだ。ボクがいるから息子と二人で行ってくれば?と言っても、やはり長時間家を空けるのは、自分的に気が引けるのだろう。


誰かと話をしていてプロレスの話題になったとき、


「昔は見ていたんだけど・・・」


という言葉を発する人が多くいることに気づく。


昔は見ていた。昔は好きだった。今は・・・?その境界線とは、一体いつ訪れたんだろうか?


あの暗黒期から、今のプロレス人気を誰が予想できただろうか?然り、5年後、10年後のプロレスは一体どうなっているんだろうか・・・


今こうしてプロレスを語れるのは、プロレスが続いているからだ。プロレスがあって、時代を生き抜き、見てきたファンがいたからだ。


5年後、10年後のプロレス、それを知っているのは誰でもない、そのときを生きているプロレスファンなのかもしれないなぁ・・・








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