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Channel: 団塊Jrのプロレスファン列伝
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涙の赤鬼

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どうも、流星仮面二世です。


先週、ここにコメントくれます独断小僧さんからメールをいただきまして知りました。そう、ルスカの訃報です・・・


ボクの好きなレスラーはアントニオ猪木、当時の初代タイガーマスク、そしてマスクド・スーパースターですが、格闘技となると極真空手の中村誠と、このルスカをおいて他にいませんでした。


その昔・・・小学生の時に幼馴染の流星仮面2号に猪木とアリの試合が図書室にある読売の日本写真年鑑に載っていると教わってよく一緒に見ていたんですね。で、ある日、いつものように図書室に行って・・・その日は72年版を見ていたんですよね。そしたらミュンヘンオリンピックで優勝し胴上げされる柔道家の写真が出てきたんですよ。


「この人も猪木と戦ったんだってよ」


と、そのとき教えてもらったのが、ルスカの存在を初めて知った日でした。


ボクシングの世界チャンピオンだけじゃなくて、オリンピックの金メダリストとも戦ってるだなんて!!しかも勝ったなんて、猪木は本当にすごいなぁ~と思いましたねぇ。


それから時が流れ、中学生になったボクは、その試合が見たくて・・・必死にお金を貯めてアントニオ猪木の血戦十番勝負というシリーズビデオのウィリム・ルスカ編を購入しました。今では考えられませんが、収録時間わずか18分にして7000円という、高級ヘルスも真っ青な価格でしたが、それでも必死にお金を貯めて、当時東京の上野にあったリングサイドというプロレスショップで通販にて買いました。


これです


ワクワクしました。中学に入って柔道部に入って、わずかながら柔道を知った当時、プロレスはどうやって柔道と戦うんだろう?という興味と、猪木のバックドロップ3連発、はやく見たい!!という興味・・・本当に楽しみに再生しました。


試合が始まりました。初めはお互い手探りのような攻防で、なかなか組み合いません。緊張感があって、本当に心が震えました。


その後、試合が動いたのは1分半後くらいだったでしょうか・・・その衝撃は計り知れないものでした。





































「な・・・!!」


その日、この先は見ずに巻き戻しと再生を繰り返して、このシーンだけを何度も何度も見ました。そして思いました。その当時、ボクは新日本プロレスのストロング・スタイルこそ最強だと、プロレスこそナンバーワンだと信じていました。しかしこのルスカの投げで、プロレスよりも強いものも世の中にはあるのか・・・?と、衝撃を受けました。


その後も毎日、ここだけを見る日が続きました。そして当時中学生で柔道部だったボクは、柔道の試合の前の日には必ずこれを見て、試合開始にはルスカをまねて両腕を広げて組むのをマネしたものでした。もちろん、ボクは強くはなかったけど、なんだか強くなれた気がして・・・本当によくやってましたねぇ~。


この投げを語るとき、え、何言ってるの?柔道家なら誰でもできるじゃん!!何をそんなに!?と・・・そう思われる方もいるかもしれません。それはそれでいいと思います。でも、ボクからすればこの投げこそがルスカであり、格闘技であり、そして憧れなんです。


世の中に総合格闘技というものが浸透する頃には、ルスカの強さがいろんなレスラーや関係者から語られるようになりました。しかし、ボクにとっては何年経っても「憧れの人」以外の何者でもありません。


そんなルスカが旅立って行ってしまったこと・・・残念でなりません。



ルスカ・グラフティー


一本を取るスタイルのルスカ。その組手は基本は右組みですが、引手も襟近くを持つので一見両襟に見えます。画像は右手で引手を取った状態ですが、左組みに見えてしまうくらいですね。あの古賀選手もこれに近い場所を持ちますね。


猪木戦では右組みの投げも左組みの投げも使っていますので、どちらでも技が出せるようにこの組手になったのかもしれませんね。



このブログでも何度かご紹介していますが、もう一度お伝えします。世界選手権で優勝2回、準優勝1回、ヨーロッパ選手権では1965年マドリード大会から1972年フォールブルフ大会まで出場階級すべて合わせて優勝7回、準優勝3回、3位1回。そしてミュンヘンオリンピック では重量、無差別で歴史上最初で最後の2階級制覇。すごいです。ユニフォーム姿のルスカ、いいですねぇ~。



若き日のクリス・ドールマンとロード・ワークを行うルスカ。自宅が牧場にもなっているルスカはその周りを走ったり、丸木を担いだりと、自然環境下でのトレーニングも多くしていたようです。



ルスカは薪を割るのもトレーニングに取り入れていたようです。これはルー・テーズの師であるエド・ストラングラー・ルイスの時代の頃のレスラーがやっていたトレーニングで、ナチュラルなパワーをつけるにはいいトレーニングですね。


猪木戦を行うため来日し、日大のレスリング道場で練習するルスカ。ドールマンに締めを決めるが、なんでドールマンはそんなに嬉しそうなのか?もう落ちてしまっているのかな?



こちらも日大での練習から。珍しいレスリング・スタイルのルスカ。しかしこの投げもすばらしいですね!!レスリングでのこういう投げは、基本相手のヒジのところを親指と中指でつかんで、こう引っかかることろがあるんですが、そこを持って投げるんですが、ルスカは手首なんですね。本来だと難しいのですが、先にアップした猪木戦のときと同じ質の投げ方で、相手の移動と自分の移動でコントロールして技に入るから可能なんでしょうね。さすがですね!!



総合格闘技も世に浸透し、柔道出身者も数多く登場しましたが、いまだに紅白帯(6段から)で登場した選手はいませんね。これもよく似合っています。


心よりのご冥福をお祈りします。





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