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プロレス・イン・ハワイ

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ハワイ・・・といえば、みなさんはどんな感じのことを連想しますかね?


常夏?観光地?芸能人が正月に行くところ?免税店は日本人ばっかり?ま、まぁ人それぞれ・・・ハワイと聞けばいろんな想像をすると思います。


さて、そんなハワイですが・・・今では面影すらないに等しい現状になってしまいましたが、その昔はプロレスのマーケットとしてかなりのものでした。タイトルもたくさんあったし、ハワイ出身のレスラーも多くいました。もちろん試合も有名選手が多く参戦し、試合数も多く行われていました。


そんなハワイのプロレスマットで過去に空前とも取れるビッグイベントが実は開催されていたんです。今では見ることのできない夢・・・今回は85年8月に行われたビッグイベント“サマー・ホットナイト”をご紹介したいと思います。


第1試合 シングルマッチ 20分1本勝負 


ジプシー・ジョーvsリッチー・マグネット


まずは第1試合。おなじみ放浪の殺し屋ジプシー・ジョーが登場。一方、相手は新進気鋭のリッチー・マグネット。名前を聞くと一見、ん?と思ってしまうレスラーですが、同じくハワイでザ・コブラのWWFジュニア・ヘビー級に挑戦したこともあるレスラーなんですね。日本では無名でしたがハワイを本拠地にしていたレスラーだったようです。試合はリッチー・マグネットがジョーにフォール勝ちしています。



第2試合 シングルマッチ 20分1本勝負


リトル・ケビンvsパンチョ・ボーイ


これは残念ながらどちらのレスラーもデータがありませんでした。多分ハワイのローカル・レスラーだったのではないでしょうかね?試合はリトル・ケビンがフォール勝ちしています。



第3試合 シングルマッチ 20分1本勝負


レロイ・ブラウン、ファーマーボーイ・イポvsジョエル・デイトン、ダウィ・デイトン


レロイ・ブラウンはボクらの世代ならレイ・キャンディとのタッグ、ザンビア・エキスプレスでおなじみですね。タッグパートナーであるファーマーボーイ・イポは意外にも86年に一度だけ新日本に来日あり。UWF勢が血気盛んだった当時、藤原、木戸を必死にロープへ飛ばそうとしていたグリーンのセミロングタイツが思い出されます(って、思い出さないか・・・)


対戦相手のデイトンはどっちもデータがありませんでした。が・・・今回のレスラーの名前は当時の雑誌のをそのまま掲載しているんですが、もしかするとこれ、全日本に来てたジョー・ディートンとその兄のデビッド・ディートンだったのではないか?という説を自分の中で勝手に浮上させてしまったんですよ。というのもジョー・ディートンの本名、ファーストネームがジョセフ、兄がデビッドなんですよねぇ・・・ホラ、昔のプロレス雑誌って名称にヌルイところがあったじゃないですか?だからこれはジョセフがジョエル、ダウィがデビッドとなってしまったのではないかと・・・


実際、この時代にはデビュー数年後だったし、兄弟タッグも組んでいたし・・・まぁ、だったらどうなんだと言われてしまえばそれまでですが、のちにラッシャー木村とマイクでやりあっていたジョー・ディートンが無名時代、この試合に出場していたらなんかおもしろいですよね。試合の方はレロイ・ブラウンがジョエル・デイトンから反則で勝利しています。



第4試合 シングルマッチ 20分1本勝負


デビー・コンブスvsファレン・エンジェル


これもどちらもデータがないレスラーでした。地元ハワイのローカル・レスラーだったのかなぁ?



第5試合 AWAライト・ヘビー級選手権試合 60分1本勝負  


スティーブ・リーガルvsマイティ・ミロ


スティーブ・リーガルは82、85年に全日本に来日。特に85年は小林邦明と世界ジュニアのタイトルマッチも行ったので覚えている人も、もしかするといるかもしれませんね。リーガルはこの試合はAWAライト・ヘビー級王者として参戦ですが、タイトル歴はNWAジュニア、AWAタッグとなかなかのホルダーです。


マイティ・ミロは地元ハワイ出身サモア系レスラーで、86年に全日本に来日していますが、なんと3試合だけしか参戦しなかったという驚きの過去が。しかもこのリーガルとの試合ではダブル・フォールで引き分けというこれまた驚きの試合結果・・・一体、何者だったんだ?



第6試合 NWAナショナル・ヘビー級選手権試合 60分1本勝負


マニー・フェルナンデスvsブラック・バート


マニーはおなじみですね。以前も書いたけど、ボクはマニーのカウンターエルボー、好きだったなぁ・・・ブラック・バートは新日本にも来たようだがあまり記憶にないです。バズ・ソイヤーなんかとタッグ組んでたんだけど、やっぱり覚えてないなぁ・・・スイマセン。



第7試合 シングルマッチ 30分1本勝負 


ジミー・スヌーカvsラリー・シャープ  


対戦相手のラリー・シャープはレスラーよりもクラッシャー・バンバン・ビガロのマネージャーと言った方がボクらの世代ではなじみでしょうか。試合はゆかりの地ということもありハワイで大人気のスヌーカが得意のスーパーフライをキメてフォール勝ちしています。


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ラリー・シャープさん、フラットさんに見事なスーパーフライを放つスヌーカ


こちらはワールドプロレスリングで放送されています。



第8試合 タッグマッチ 45分1本勝負 


藤波辰巳、木村健悟vsゲリー・ブルトン、ジーン・ルイス


これもワールドプロレスリングで放送しましたが、相手チームは、うーん、これもデータがないですねぇ・・・


しかしながら藤波、木村と海外で、テレビマッチで対決したということで、こうして思い出されることがあるということは本人たちもうれしいでしょうね。試合は藤波がブルトンからリングアウト勝ちで勝利しています。


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ハワイではいつになくエキサイティング


第9試合 シングルマッチ 30分1本勝負 


坂口征二vsマット・ボーン


これもワールドプロレスリングで放送されましたね。マット・ボーンは85から89年にかけて4度、新日本に来日しています。新日時代は古舘さんに「マット・ボーンだけにマットにボーン」なんて実況もされていて、ポジションもお得意さん的になっていましたが、のちにWWFでピエロのスタイルのドインク・ザ・クラウンに変身。人気を誇りました。試合は坂口がフォール勝ちしています。


第10試合 WWFジュニア・ヘビー級選手権試合 60分1本勝負  


ザ・コブラvsスーパーフライ・チュイ


これもワールドプロレスリングで放送されました。コブラもこの頃は安定して、いい試合を見せていてくれましたよね。一方、対戦相手のハワイ出身のレスラー、スーパーフライ・チュイですが・・・なんか脳裏に焼き付いていません?


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コブラのドロップキックにのけぞるチュイ


いやぁ技がすごいとか、そういうのではないんですよ。テレビ登場もわずか2度のみなのに、なんか強烈に心に残っているんですよね。ストロング・マシーン4号正体説もあったし・・・


試合はコブラがスモールパッケージ・ホールドで勝利しています。それにしても海外でNWA、AWA、WWFのタイトルマッチがひとつの大会ですべて行われるというのはこれは普通なら考えられないことですね。



第11試合 8人タッグマッチ 30分1本勝負


ヒュー、ニキポポ、レロイ・ブラウン、イポvsマードック、スミルノフ、ロイス・スター、タイレル


これ・・・謎だらけなんですよ。この日の対戦カードはビッグマッチだけに記録は残ってるはずなんですが、これはデータが全く残っていない試合なんです。レスラーの名前も省略されていてフルネームがわからないんですねぇ。ボクが持っている本に載ってないだけかもしれませんが・・・


でも、とりあえず解析をしてみます。まずヒュー、ニキポポ、のふたりのレスラーに関してはフルネームもわからず、まったく詳細がわかりません。名前からして地元のレスラーだと思いますが、わっかんねーなぁ。レロイ・ブラウンは、これはハッキリ名前があったので間違いないです。イポはフルネームが確認できませんでしたが、多分第3試合に出ているファーマーボーイ・イポで間違いないと思います。ということはこの日、このふたりはダブルヘッダーだったようですね。


対戦相手のマードック、スミルノフ。こちらもフルネームが不明だったのでわかりませんでしたが、マードックはディック・マードック、スミルノフは、アレックス・スミルノフで間違いないと思うんですよねぇ・・・だとしたら、海外では対戦することが多かったマードックとスミルノフが同じタッグチームというのは珍しいですよね。


ロイス・スターは第1試合に出ていたリッチー・マグネットのタッグパートナーとして、ハワイを本拠地にして戦っていたレスラーのようです。ペイントにモヒカン頭の、当時のよくあった外人レスラースタイルだったようですね。タイレルは、調べようがなくてさっぱりわかりません。


試合の方はレロイ・ブラウンがロイス・スターからフォール勝ちしていますが、その試合時間はわずか4分足らず。メンバーの異様な顔ぶれから察するところ、これは急きょ組まれた8人タッグだったような・・・そんな気もしますね。何か資料がある方、わかる方いましたらゼヒ教えてください!!



第12試合 シングルマッチ 60分1本勝負 


アントニオ猪木vsブルーザー・ブロディ


さて、これも新日本のプロレス中継、ワールドプロレスリングでの放送だったので記憶にある方は多いと思います。


まあその辺も手伝って、当時は新日本のテレビということで自然に見ていた人も多いと思うんですが・・・こういった海外主催のビッグイベントの中でブロディが日本人と、しかもシングルで戦うというのは実は異例。おそらく最初で最後だったかもしれません。試合は猪木・ブロディ4度目のシングル対戦だったんですが、結果は9分足らずで両者リングアウト。しかしながら以前の3試合よりテンポが速く、なかなか内容の詰まった一戦だったと思います。


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ブロディは秘密兵器、アルゼンチン・バックブリーカーを炸裂


テレビで見ていた感じ、ブロディへのファン声援すごかったですね。さすが海外での試合です。



第13試合 6人タッグマッチ 45分1本勝負 


アンドレ・ザ・ジャイアント、アンジェロ・モスカ、スティーブ・ザ・キッド・コリンズvsキングコング・バンディ、マーク・ルーイン、ケビン・サリバン


これもワールドプロレスリングで放送したんですが、これはね~、アロハ・スタジアムは野外だったんですが、ちょうどこの試合のとき雨が降ってきたんですよね。で、その雨の中で戦ってたアンドレがなんだかカッコよくて・・・ああ、海外の試合なんだなぁ~としみじみしたのを思い出します。レスラーのメンツも素晴らしいですね。涙が出そう!!


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入退場で笑顔でファンに応えるアンドレ先生


それとブロディもそうでしたが、アンドレへのファンの声援ですよね。すごい。当時テレビ見ていて、ああ~アンドレってどこ行ってもすごいんだなぁーって偉大さを思い知らされましたよね。試合はアンドレがバンディに反則勝ちしています。



第14試合 タッグマッチ 45分1本勝負 


ダスティ・ローデス、マグナムTAvsニキタ・コロフ、クラッシャー・クルスチェフ


これどうなんですか!?ローデス、マグナムとザ・ラシアンズですよ!!アメリカの香り満載じゃないですか!!いいなぁ~・・・


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ミッドアトランティックの風をハワイに直輸入だ


それにしてもマグナムTA、ねぇ・・・ゼヒ日本に来て欲しかった。残念でしたよね。余談ですがクラッシャー・クルスチェフ、実はスマッシュ・デモリッションだったんですよぉ~。試合の方はマグナムがクルスチェフからローリング・クラッチ・ホールドで勝利しています。



第15試合 NWAポリネシアン・パシフィック選手権試合 60分1本勝負  


バッドニュース・アレンvsラーズ・アンダーソン


ハワイのプロレスが盛んだった頃、といえばピーター・メイビアがレスラーとしてもプロモーターとしても軸でしたが・・・メイビアの死後、衰退し始めたポリネシアン・パシフィック・レスリングを再び盛り返したのがこのラーズ・アンダーソン。レスラーの招聘役、ブッカーとして活躍しました。この大会のこのメンバーを見れば、いかにアンダーソンが敏腕だったかがわかると思います。


試合はアンダーソンがアレンをスモールパッケージ・ホールドで下し新王者に輝いています。



第16試合 タッグマッチ 30分1本勝負


ロッキー・ジョンソン、リッキー・ジョンソンvsダーティ・ホワイトボーイズ1号、2号


ロッキーとリッキーの兄弟タッグですね。ご存知ロッキーはロックのお父さん。ということはリッキーは叔父ですか・・・すごいですね。ロックはなんか好きでしてねぇ、一時期ボクは携帯のアドをロック・ボトムにしてたこともあったんですよ。レッスル・マニアでホーガンとやった頃ですね。


まぁそんなことはどうでもいいんですが・・・一方の対戦相手、ダーティ・ホワイトボーイズ1号、2号はまったくデータがありませんでした。こんなビッグイベントのセミファイナルに出場するくらいだからハワイでは人気があったのかもしれませんが、いかにも的なコンビ名を聞くとどっち取らずの謎ばかり・・・うーん、正体が知りたい。試合はロッキー・ジョンソンが1号からフォール勝ちしています。


第17試合 NWA世界ヘビー級選手権試合 60分1本勝負  


リック・フレアーvsシバ・アフィ


さあ海外でのビッグイベント、メインはこれですね!!


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ハワイでのNWA世界戦


シバ・アフィは85年に一度だけ新日本に来日しましたね。このときボクの地元に新日本が来まして、観戦しに行ったとき幸いにも参加していたアフィを見ています。そのときは山田恵一とシングルでやったんですよねぇ~。アフィは新日に登場し藤波と対戦したとき、藤波のジャーマン・スープレックス・ホールドで敗れていたので・・・山田もジャーマン・スープレックス・ホールド使えば勝てる!!なんて、観戦しながら勝手に思い込んで・・・ははは・・・いやぁ~子供でした。


って、まったく無関係!!


いやいや、アフィ、なかなかいい選手でしたよね。もっと来日もしてくるようになるのかなぁ~なんて思ってたんですが、なんとなくフェイドしてしまったのは、やっぱりWWFでスヌーカのマネしちゃったからかな?試合は26分にもおよぶ激闘の末、両者反則でフレアーの王座防衛となっています。



さて、サマー・ホットナイト・・・いかがだったでしょうか?


思えば全米レスリング・ウォーの真っ只中だった85年。そんな中にあってNWA、AWA、WWF、さらには新日本のレスラーが同じリングに上がり試合をしていた。そこにはレスラーの入場の派手な演出もなく、試合前後のレスラーのマイクアピールも存在しなかった。でもこの日会場に足を運んだ2万4000人のファンは最高に楽しかった!!そうさ、プロレスは夢を現実化して見れる唯一の存在だからだ!!


プロレスを見に行く日が待ち遠しかった時代・・・そんな日が、また来るといいな・・・





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