さて、前回はタイガーマスクで私が好きなエピソードを見てもらったわけだが、いかがだったかね?
二回目の今回はタイガーマスク二世だ。
タイガーマスク二世、当時は原作、漫画の連載もあり、アニメもあり、そしてプロレススーパースター列伝のタイガーマスク編も同じ時間軸で進行していたという状況だったな。
その中でもアニメ放送開始日は昭和56年4月20日、佐山タイガーのデビュー戦が同年の4月23日という・・・つまりタイアップだったのは知っている諸君も多いだろう。
この佐山タイガーデビュー戦は、いろんな意味で歴史に残る試合となったわけだが・・・この佐山タイガーの出現が実はアニメ、原作に多大なる影響を与えてしまっていた。そう、タイアップとして始まったこともあり当時おもちゃの大手メーカーだったポピーからタイガーマスク二世のおもちゃが多々発売されたのだ。超合金のタイガーマスク二世、タイガーの劇中での愛車だったタイガーハリケーン、そして同じく劇中で持っていたチャンピオンベルトなどはその代表格だった。
余談だがソフビは本当ならマントとベルトが付くが、今はない。なので・・・十年くらい前になるだろうか。これのマントのみがヤフオクに安値で出品されていたので大喜びで入札したのだよ。しかし残り15分で5000円を超え、残り3分で8000円を超え10000円を超え!!山を越え谷を越えっ、ええい忍者ハットリくんのOPではない!!とにかくもう最後は私の手の届かない領域に陥ってしまい、あきらめた思い出がある!!虎の穴の真の恐怖、思い知ったか!!
話がそれたな、失礼した。
さて、予想に反し、このように期待度が高かったのだが・・・アニメと原作があまり世に知られることがなかった。まあその辺は追々話すとして・・・今回の本筋、原作とアニメだが、ストーリーは大筋同じなのが見て取れる。というわけで今回はまずアニメのタイガーマスク二世をご紹介しようと思うぞ。
タイガーマスク二世、実は先代のタイガーマスクの原作の方と話がつながっている。タイガーマスク、前回ご紹介したように原作では伊達直人は最後は子供を助けるため事故に遭い亡くなってしまうが・・・二世ではこの話が原作、アニメとも出てくるのだ。つまり・・・
「先代タイガーマスクの原作→タイガーマスク二世の原作、アニメ」
という流れが見て取れる。
しかしながら時代背景のせいなどもあり先代のタイガーほどの哀しみ、せつなさが多かったストーリー展開ではなかったのは確かだ。確かなんだがな、でも、二世は二世なりになかなか話は深かったのだよ。
アニメのタイガーマスク二世。その始まりは日本武道館。意外にも柔道の全日本選手権の大会に謎のマスクマン、宇宙仮面SFというレスラーが乱入するという奇想天外な形で幕を開けたのだ。
会場に現れた宇宙仮面SF
柔道会場に覆面レスラーだ!!始めは失笑を買っていたが・・・ジャンプして開脚しながらハイキックを放ち同時にふたりの柔道家をKOしてしまうと会場は異様なムードへと変わっていった。そして日本プロレス界へ、大々的に挑戦の狼煙を上げるのだった。
このレスラーこそ中東で絶大な力を誇っており、自国では裏の大統領、影の独裁者と呼ばれ、そして世界経済にも多大なる影響力を誇っていた世界の石油王・アーマン・ハッサンがその糸を操っていた宇宙プロレス連盟の第1号だったのだ。
このハッサンの目的は世界中のスポーツ界を一堂、その手中に収めること・・・つまり全スポーツ界の征服だった。このスポーツ征服のプロローグ、手始めがプロレス界侵略だったというわけだ。
ハッサンはその権力と財力にモノを言わせ実に様々なジャンルの人間を組織に導きレスラーとして養成し、乗っ取りをたくらみ新日本プロレスとタイガーマスク二世への刺客として送り込んできた。しかもそのやり口は、タイガーや猪木が戦わなければ、そして負けることがあれば日本への石油の供給をストップするというとんでもないものだったのだ。
またハッサンは少年時代、祖国で起きた独立戦争に少年ながら兵として参加。肉親である家族、愛する妹を亡くして以来
“力こそ正義”
を信念とし、貧しい国を植民地とする先進国、そしてそれらにつき従いついて行く形であった日本を憎んでいた。日本のプロレスを手始めにしたのは、こういう事情もあって拍車をかけたんだろうな。
そんな、世界にも類を見ないこの組織と戦う男こそ亜久竜夫(あく たつお)ことタイガーマスク二世だったのだ。
宇宙仮面SFが全日本選手権へ乱入した日、取材で会場に居合わせていた竜夫は、この前代未聞の乱入に怪しい空気を察知し、目を輝かせた。
そして新日本プロレスの会場内、坂口征二vsビッグ・ウッド(架空のレスラー)戦に宇宙仮面SFが現れ乱入したとき、そのあまりの凶悪ぶりに子供ながら試合を止めに入った少年・立花一也がまさに放り投げられたとき、さっそうと場内へ現れたレスラーこそタイガーマスク二世だったのだ。
亜久竜夫の表向きの職業はスポーツ新聞社・日の出スポーツの新聞記者。スポーツはどれをやらせても万能で人当たりはいいが、どこか抜けていておっちょこちょいな三流記者を気取る。そんな竜夫がこの日から新聞記者とタイガーマスクの二足のわらじを履くことになるのだ。
新聞社では、タイガーの試合になるといなくなってしまう竜夫に大声を出して手を焼きながらもかわいがっている、明るく気さくなデスクと
バイクで行動するためいつもつなぎ服を着ている活発、行動派なボーイッシュなカメラマン兼記者の同僚のみどり
に支えられ、正体を隠しながら日々を送っているのだ。
しかしこの竜夫、その過去は謎が多く、わかっているのはあの伊達直人が育った「ちびっ子ハウス」で幼少期を過ごした人物であるということ・・・そう、彼もまた孤児だったということだ。そして伊達直人も伊達直人のタイガーも、あのルリ子さんまでも知っているということだった。
そしてもうひとつわかっていること・・・竜夫はなんと一度は壊滅し、その後に密に復活した虎の穴でレスラー訓練を行ったのち、世界中にある数ある格闘技をマスターするため世界を巡っていたということだ。この旅の最中、日本へとても大きい、凶悪な組織が迫っているのを感じ取り帰国、そしてタイガーへ・・・となるわけなのだ。
亜久竜夫の感じたとおり、こうしてタイガーマスク二世と宇宙プロレス連盟との戦いが始まるわけなのだ。

ヘル・ホークス
千本ノックのシーンは伊達直人のタイガーもブラックVとの戦いを前にミスター馬場と行ったことがあるし、長嶋がアニメに実名で登場するのはまさに梶原氏のお家芸的だが・・・しかしだ、かつて千本ノックのシーンこそ、オールドファンなら巨人の星や侍ジャイアンツで目にしたことはあると思うが、こと長嶋自身が行うというのはおそらく本家・野球作品でも出てこなかったのではないか?
さて、こうした戦いの中、リング外でも戦いがあった。自国の中東ではその圧倒的支配力で国を支配していたハッサン。だが、このハッサンの独裁政権を打破しようと革命が起きるのだ。この革命を起こした反政府組織から、日本にハッサンがいることを知ってひとりの狙撃者が現れる。その名はジーナといった。
ジーナ
反政府組織の一員だが、彼女の弟は反政府デモ中にハッサンの配下の元、命を失う。このことによりジーナの感情は並々ならぬものではなかったのだ。
ハッサンが車で移動をするのを狙い、ビルから狙撃を試みるジーナ。しかしジーナを見てから様子がおかしいことに気づき、後を追ってきた竜夫に、ハッサンの車が防弾ガラスなことくらいわからないのか!?と狙撃を阻止され、その身を潜めることになる。
しかしここでまた運命が回りだす。ひとりの男が宇宙プロレス連盟からタイガーマスク二世の正体とジーナを探せと調査を依頼されるのだ。これが竜夫やみどりと同じ記者仲間であった才賀記者だった。
才賀記者
実はジーナは才賀の妹の美奈が横断歩道で車に跳ねられそうになったところを偶然にも助けた人物だったため、才賀はその顔、そして後をつけた竜夫に何かあると踏み調べ始めていたのだ。
悪いこととはわかっていたが、その財力で大手新聞社のデスクにしてやるという甘い言葉を受け宇宙プロレス連盟に足を突っ込んでしまった才賀。組織へ居場所を探し伝えると、今度はジーナを殺せと銃を渡され命令される。
当然才賀は断るが、手段を選ばないハッサンの一味は才賀の妹を人質に取り、ジーナの居場所を迫り案内させた。たどり着いた、まさにジーナの潜伏先のアパート前だった。ここで組織に教えれば妹は助かる。だがジーナが・・・どうする?
才賀は叫んだ。
「ジーナ、逃げろ!!」
才賀は走りだし捨て身で叫びをあげた。しかしその為にハッサンの部下に撃たれてしまう。重傷を負い逃げる才賀。同時刻、タイガーは東京体育館で宇宙プロレス連盟の刺客、デビル・ピューマと戦っていた。
デビル・ピューマ
激闘の最中、タイガーが勝利目前、フィニッシュへと追い込んだそのときハッサンの一味から隙を見て逃げ出してきた才賀の妹、美奈が会場へ逃げ込み現れた。兄が、ジーナという人が!!この叫び声に
「わけはあとで話します!!」
と試合を放棄し抜け出したタイガー。だが・・・駆けつけた時には才賀はもはや手遅れの状態だった。
「才賀さんは立派です!人間としても、ジャーナリストとしても!!」
一度は宇宙プロレス連盟のために動いてしまった才賀だったが、自分の間違いに気づき、自身と妹の身の危険がありながらもジーナを守るため捨て身の行動を取った。そんな才賀に竜夫が送りし言葉だった。そして妹とジーナの無事を聞くと、薄れ行く意識の中でみどりを幸せに、妹を頼んだぞ、タイガーマスク二世と才賀はつぶやいた。静かにうなづく竜夫に
「やっぱり、そうだったんだな・・・」
竜夫に後を託し、旅立って逝ってしまった。
リング上の戦いと並行して、リング外では死亡者が出てしまうという鬼気迫る話になってきた最中、竜夫はジーナを日本から本国へ返す段取りを踏む。ジーナは仲間へ連絡し、帰国するためのヘリを箱根へと向かわせることになった。竜夫はみどりと協力し、ゴルフへ行くふりをしてジーナをトランクへ匿り箱根まで送った。
だが、箱根へ先に来たヘリコプターはハッサンの組織だった。現れたのはハッサンの組織SPIの長官ゲラーと部下、そしてデビル・ピューマだったのだ。
ジーナを守るべく、気を引くため銃撃を交わしながらヘリを奪い翻弄する竜夫。しかし銃を受けて墜落するヘリ・・・竜夫は森の中で脱出しタイガーマスク二世へ変身する。そこに現れたゲラーと部下、そしてデビル・ピューマ。絶体絶命と思ったその時、デビル・ピューマのチョップが仲間であるはずのゲラーに炸裂した。
1vs1で勝負がしたいと申し出るデビル・ピューマ。デビル・ピューマの正体は、かつて巨熊を正拳で倒し手刀で闘牛の角を折った男、元プロ空手家の熊殺し、キング・キリアムスだった。
地上最強の男と戦わせてやると宇宙プロレス連盟に誘われその身を投じたキリアムスだったが、その卑怯なやり方にしびれを切らせていたのだ。タイガーと戦っていた最中、ヘリで脱出するジーナが撃たれそうになると銃の前に立ちはだかりジーナを助け、そしてゲラーを谷底へと追い込み始末した。
カンフーマスターで竜夫と同じく虎の穴出身者だったリタが正体だったアイアン・マスクはタイガーとの戦いで正体を竜夫と知り、過ちを後悔し自決した。元陸上選手で銀の弾丸と言われた死神シルバーはタイガーと戦うことで自分の過ちに築き反逆、やはり正々堂々戦いたいと戦いを挑んだが、組織に狙われ・・・その散り際にはタイガーに自身の編み出した必殺技を伝授しながら死んでいった。キング・キリアムスも同じく、タイガーと戦うことで自分の過ちに気づき宇宙プロレス連盟へ見切りをつけたのだった。
こうして誰もない山中で、格闘家としてタイガーマスクと戦うのだった。だが・・・同僚のみどりは、竜夫の変身から戦いまでを見てしまった・・・竜夫がタイガーマスクだと知ってしまったのだ。
・・・
一方、長官ゲラー、部下、そしてデビル・ピューマが失踪した状態になってしまったハッサンはもはやプロレス界乗っ取りはどうでもよくなり、タイガーを仕留めることだけに目的を切り替えた。こうして側近のギラドのアイデアでタイガーをバトルロイヤルへ誘う。タイガー以外がグルになり、複数人でやってしまおうという手段だったのだ。
その直後、突如仲間を蹴散らした白魔ナイトが1vs1で戦う!!とタイガーに迫る。相当なダメージを負っていたがこの激戦を制し、なんとか勝利したタイガーだった。
ついに革命を起こしたジーナの軍
「ザ・ストロングスはザ・ジャイアントを破り、タイガーをも倒す。そして代は革命など一瞬にして沈めて見せる・・・すばわち
“力こそが正義”
であることを教えてやろう!タイガーマスク二世!!」
ハッサンの怒りは頂点に達していた。
こうして試合は始まった。しかしアンドレは、わずか10分ほどで未知のレスラーであったストロングスのエルボー攻撃に倒されてしまった。こうして最後の戦い、宇宙プロレス連盟最強の男ザ・ストロングスとタイガーマスク二世との戦いが始まる。

始めこそ互角の戦い模様だったが、時間が経つにつれストロングスの、あのアンドレを短時間で仕留めたパワーがタイガーを苦しめていく。狙いしはタイガーの背中・・・カナディアン・バックブリーカーからコーナーへ駆け上がり、そのまま宙返りしてタイガーを打ち付ける拷問技で追い込んでいく。こんな力のあるレスラーがいたとは!タイガーも解説席の猪木も驚きを隠せないほどのパワーをストロングスは見せつけた。
だが、タイガーの正体を知っていたみどりは一方的に攻められるタイガーを見ていられず会場の外へ走り出してしまう。大雪の中で倒れこみ、神様、タイガーを、竜夫を助けて・・・と涙を見せた。

やがてタイガー、ストロングスとも身体は過酷な状況へと向かっていた。ストロングスの攻撃、しかしその都度タイガーは反撃していく。もはや技術論を通り越し、リング上ではなりふり構わない殴り合いになった。応酬から、タイガーのエルボーが胸板に決まるとあのタフなストロングスが苦しさのあまり自ら場外へエスケープした。
リングアウトカウントが進む中、場外のストロングスにタイガーは手を差し出した。リング上で正々堂々、勝負しようということなのか・・・見つめるストロングス。そして手が伸ばされタイガーがストロングスを引き上げた。死神シルバー、アイアンマスク、デビル・ピューマ、白魔ナイト・・・タイガーと戦ったものは皆、反則をすることをためらい、使わなかった。ストロングスも今、その気持ちになった。
こうしてストロングスは自身の敗北と宇宙プロレス連盟の敗北を認めた。そしてマスクを脱いだ。


そしてここからは、戦う男としてタイガーと戦いたいとタイガーに願い出た。タイガーもまた、
「宇宙プロレス連盟が敗北を認めた今、タイガー、タイガーマスク二世としての私の使命も終わった」
と、自らの手でマスクを脱いだ。
素顔をさらした亜久竜夫・・・
会場のすべてがその正体に驚愕した。そして全国へ放送されていたテレビの前でも、それは衝撃として伝わった。
あの、あの人にも・・・それは伝わったのだ。
今、心行くまで戦ってみたい!ハッサンの思いに竜夫が答えた。ここからは男と男の戦いだった。純粋な戦いだった。しかしハッサンは戦いの最中、倒れた。突然にして唐突に心臓麻痺に倒れたのだ。
時を同じくしてハッサンの国ではジーナの軍が革命に成功した。ハッサンが息を引き取ったのはまさにその瞬間だった。
ハッサンと共に倒れていくハッサンの石像・・・
こうして宇宙プロレス連盟、そしてハッサン政権はハッサンの死により終わりを告げた。
試合後、会場を大勢の記者と猪木に伴われ出てきた竜夫。そこで待っていたのは大雪の中で立ち尽くしていたみどりだった。
「冷えるな、みどり。熱いコーヒーでも入れてもらおうか」
近づく竜夫に倒れこむように泣きながら寄り添うみどり・・・こうしてタイガーマスク二世も、終わりを告げたのだった。
さて、タイガーマスク二世、ざっと振り返ってみたが、いかがだっただろうか?
タイガーマスク二世、もちろん舞台はプロレスだったが、ハッサンの国と日本の政治的、社会的な問題。そしてハッサンの自国での、一国の運命をも左右する問題まで絡んでいたストーリーには正直驚かされた。そして、竜夫に思いを寄せるみどり、みどりを好きな才賀、一也の姉、純子が気になる竜夫と・・・実に多彩な人間模様をも見せていた。深い、実に深いストーリーだ。しかも完成度も高い。こんな素晴らしい作品がどうして埋もれてしまったんだ!?と疑問にすら思う。
と、今見ると言えるが・・・この内容が、はたして子供に理解できただろうか?
正直、私は当時理解できなかった。タイガーマスク二世の戦うところと、番組の最後に1分くらい流れる佐山タイガーの試合での映像を用いた必殺技紹介しか夢中で見ていなかった。あとはよくわからなかったからだ。
当時の少年ファンにはこの内容は正直、難しかったのではなかったのだろうか?これが本作があまり日の目を見なかった理由だったのではなかったのだろうか?
だが・・・それよりも大きな原因は、やはり佐山タイガーだったと思う。そう、佐山がアニメ、漫画の世界よりもスゴイ動きをしてしまい、ちびっ子ファンがみんな佐山タイガーへ流れて行ってしまったあの現象、日本中がタイガーマスクに熱狂したあの現象に他ならなかっただろう。佐山タイガーの出現は、あまりにも大きすぎたのだ。
でも、それにしてもだ。タイガーマスク二世は、私はもっと評価されていい内容だったと思う。 タイガーマスク二世の決め台詞
「力が正義ではない、正義が、力だ!!」
奥の深い言葉とは思わないかね?
長く低迷している日本経済。戦後の高度成長期で世界のトップへと上り詰めた日本だが、今その現状には正直陰りが見えている。
モノがない時代は頭で考え、あるものを組み合わせたり代用したりして工夫しモノを作った。何かが足りなければひとりでなく、みんなで協力し合った。それが日本の、日本人のいいところであった。しかし現在の社会では、これらが失われてきてしまっている。力を持った者や団体が、工夫し努力し意見する、という芽を圧力、権力、財力という鎌で斬り、摘んでしまうようになったからだ。そう、力こそが正義になってしまったから・・・そう私は思っている。
では正義が力とはなんなのだろうか?
アフリカの草原で生まれたばかりのシマウマがライオンに食われるのを見ると、多くの人はシマウマがかわいそうというだろう。しかし、ライオンからすれば、このシマウマの肉を自分の子供に食べさせなければ、子供を死なせることになる。シマウマの視点から見れば、このライオンを追い払えば正義になるのかもしれない。しかしライオンからすれば・・・それは正義といえるのだろうか?
亜久竜夫は猪木や同僚、ジーナのような人物にも周囲にも、ハッサンや対戦相手にも同じように接した。敵、味方の区別をつけず、正しいことには身を引かず、誰にでも同じように正々堂々と接したのだ。組織や誰かに完全に付くわけでもなく、誰かの味方をするわけでもなく、同じように接したのだ。結果、こうして皆、心を開いていったのだ。
これが・・・正義が、力だ!!その意味だったのではなかったのだろうか?私はそう思うのだが・・・諸君らはどうお考えになったかね?
さて、次回はタイガーマスク二世、漫画をやるぞ。覚悟しておけ。