どうも!!流星仮面二世です!!
さぁ今日はですね~話題の映画、チャンピオン太を先週、あ、チャンピオン太じゃないですね。パパはわるものチャンピオンです。これをね~嫁と三世の3人で見てきました~というお話です。
当日は映画館、ボクらは夜の上映、19時からので見ようと行ったんですが、いやぁ~この時間でもなかなかお客さんいましたね。家族連れ、カップルが多くみられましたが、中にはひとりで来ていた方も。しかし、お客さんはプロレスグッズ身に付けている方が多くて・・・映画なんですが、一瞬プロレス会場に来たような、ちょっとそんな感覚になりましたね。
で!!ここから・・・始めに言っておきます。これからこの映画に行く予定のある人、内容知りたくない人は、ここから先はゼェーッたい!!読まないように。ネタバレするかもしれませんし、映画がつまらなくなるかもしれないですからねっ。それでも読むよ~という人だけ読んでね。いいね、言ったからね。ちゃんと言ったからね!!ぬぇーぇぇぇ!!
ではまずはあらすじ・・・は、いいやね。YouTubeなんかにも予告動画ありますからね。見てください♪
さて。その日・・・映画を見終わった直後。ふと横に目をやると目をキラキラさせた、満足しきった嫁の顔がそこにはありました。
「おもしろかった~。すごくよかった~。あたしゃもう1回見てもいいよ。いい映画だった~」
嫁は棚橋の過去のことは一切知りません。なので各所で書かれているような、大村孝志が棚橋の現実とタブって見えて感動した~というような、多くのレビューのような感情が湧くことはまったくありません。
しかし"身も心も完全にストーリーに入りこんで、そのシーンに自分がいるように見る"という技を数々の韓流ドラマを見て体得し奥義とする嫁には、そんな過去など無用。嫁にとっては映画のすべてがリアル、今、目の前で起きている現実の世界・・・大村孝志も祥太も同じ世界に実在しているのです。だから楽しいところでは笑い、ムカついたシーンでは映画内だろうが「あームカつく」と容赦なく口走り、そして感動シーンでは人目も気にせず涙します。こうして映画を見ながらすっかりパパはわるものチャンピオンの世界に入り込み、喜怒哀楽を発揮していたようでした。
そんな嫁が最もグッときたのが、ドラゴン・ジョージと戦うことが決まってからの大村の姿と、それを受けて息子の祥太が教室で机に上がり、次の試合はドラゴン・ジョージに絶対勝つ!!と叫び、クラスのみんなからモノを投げられたシーンだったそうです。家族のため、自分のため・・・悩み苦しみながら、耐えに耐えて爆発したこの姿。モノを投げつけられようが負けない姿。場所はちがえど、父も息子も同じような境遇で闘っているんだというその姿・・・
あの嫁の満足しきった顔は、そういう理由からだったんだなぁと・・・そんな素直な嫁の映画の見方はある意味、最もいい映画の見方だったのかもしれません。いい映画でよかったね~。
しかし、そんな嫁とは対照的に逆方向ではちょっぴり不満そうな男が・・・
「う~ん・・・オカダのポーズ、もうちょっとなんとかならなかったのかなぁ?」
と、すっきりしないのは三世でした。
元々、棚橋ファンではなく、しかも寺田心は生理的に無理という三世。ではなぜこの映画に来たのかといえば、理由はただひとつ。オカダカズチカが出演していたからです。
そう、嫁が映画に現実の世界を見るならば、三世はプロレスだろうが映画だろうが無関係。三世にとってはオカダがそこにいるということが現実の世界。"オカダを見る"ことがすべてだったのです。
三世はそんなオカダの、まず予告でチラッと見えた映画用コスチュームに期待していました。実際目にすると、ロングタイツ姿はかっこいいとご満悦。その点ではよかったようですが・・・しかし入場で見せたレインメーカーポーズならぬドラゴン・ジョージのポーズには失意。ドロップキックも決まり、ドラゴンメーカーという名前ながらレインメーカーも出てきたが・・・どうしても受け入れられなかったそのポーズに、思わず出てきた言葉が、三世のあのセリフだったのです。
結局、ドラゴン・ジョージの飴も売っておらず、もはや救いはオカダが普段は見せないスペース・ローンウルフ時代の武藤ばりのリングインを披露したのと、今や棚橋の得意技、ドラゴン・スクリューをやったという点か・・・!?
しかし、オカダに関して振り返れば、あれはドラゴン・ジョージ役なんかではなく、オカダカズチカ役だったと・・・貫禄、存在感。やっぱり今のチャンピオンに締まりがない。映画でも現実でも、オカダがチャンピオンであるべきだという三世の意見はまちがってないと思いました。それにしても毎度のことながらそのオカダ愛には感心するばかりです。
それにしても、いいなぁ~。かたや映画自体を楽しむ。かたや出演者目当てで楽しむ。それぞれ意義があって素晴らしいですよ。
で、そんな中、ボクの感想です。
ボクは映画タイトルにもあります"わるもの"という、ここにこの映画を見た気がしました。
まず・・・"わるもの"と称される"ヒール"という存在。そう、プロレスの世界には"ヒール(悪役)"というものがあります。います、ではありません。この場合は、あります、です。個人を特定しない"ヒール"というものです。
この"ヒール"という存在を軸に、ヒールレスラーである大村の、プロレスという世界の中での過去と現在の葛藤。ヒールレスラーでいなければならないという葛藤。プロレスラーとして、父親としての妻との葛藤。父親としての息子との葛藤。そしてその息子が、学校で世の中で受ける仕打ち、思い。そこから来る心の葛藤・・・これが本当によく表されていたと思いました。この点においてはプロレスに知識がある、ない関係なく、いち映画として受け入れられるいいところだと思いました。
で、そう思わせたのが棚橋の熱演でした。しかし・・・嫁の項でもちょっと書きましたが、いろんな方がレビューで大村孝志が棚橋とダブって感動したなど書かれているのが多いんです。でも、ボクも過去の棚橋にそこまで詳しくないので、この辺のことにピンと来るものがなかったんです。
しかしここ何年の棚橋を見ている感じ、もしも棚橋がどこかでヒールレスラーに転向していたなら・・・という、そんな棚橋の並行世界、パラレルワールドでの姿が大村孝志だったんじゃないかな~と、そんなことは思いました。
どこか優しい凶器攻撃、感情を押さえきれず試合中に自分からマスクを脱いでしまう、かつての必殺技に執着する・・・だから、あの役は棚橋でないとダメ、棚橋にしかできなかったんだろうなぁ・・・名優とは言いがたい演技でしたが、それがかえって一生懸命で現実的で、伝わるものがありました。棚橋のヒール象なぁ~。今回ばかりは、よかったなぁ~。味わいあった。棚橋のプロレスは好きじゃないけど、棚橋はちょっと好きになりました。
しかし、実はボクが今回一番ヒールに関して印象に残ったところは、ここではありませんでした。今回、一番印象に残ったところ・・・それは子役たちの名演の中にありました。
息子役の祥太こと寺田心は、ボクはテレビって見ないので(というか見れないので)寺田心がなぜ天才子役と呼ばれウワサになってるのか?何がすごいのかまったく知らなかったんですよ。しかしこれは思い知らされましたね~。あの年齢で、あんなに感情を表現できるものなのか・・・?やっている演技は大人のそれよりすごい。10歳で、どうやってあんな技量が身に付くんだろうか?100年にひとりの逸材とはまさにこのこと。彼ならホウキを相手にしてもドラマができるだろうと思いました。
で、この寺田心、祥太をさらに際立たせた、祥太のクラスメイトのある男を軸にした男女4人の一派があったんですね。
その一派のリーダー格は学園ドラマには必ずいそうな、金持ちでちょっとカッコいい、そして自分は素晴らしくて、いつも人気者で中心でありたいという性分の、髪型が横分けの男でした。
で、その横分け一派に"りんご"という女の子がいました。
りんごちゃんは、この横分けの脇を固める、まさに側近的存在。あるときは横分けの誕生日を盛り上げようとメッセージカードの促進をしたり、またあるときは・・・祥太が、あるレスラーの子とわかってから注目されだしたことがおもしろくなかった横分けの指令で、床屋である祥太の家に客として赴き、母親から情報を引き出したりと・・・営業活動からスパイまで、とにかく横分けのため忠実にこなしました。そしていざとなれば自らが発言し、祥太を言葉で斬りつけもしました。
とはいえ。こうは書いていますが、りんごちゃんは本編では特別セリフが多いわけでもなく、出番もそこまで多いわけではなかったんです。しかし随所で見せるその強烈なパフォーマンスは、ボクには絶対に忘れられないものでした。
近年、ボクがプロレスで一番イヤなことが、ヒールレスラーのことを指し"本当はいい人"と言う風潮です。
パパはわるものチャンピオンという映画。見た方の中には、この映画でヒールがなんなのか?という点を、この大村孝志、棚橋に見い出だした人もいたことと思います。それは答えのひとつとして正しいと・・・ボクは否定しません。しかし否定はせずとも、そう感じた人にボクはあえて、フッ、まだまだケツがあおい輝彦だな・・・と言いたい。
本物のヒールを、やっぱり知ってほしい。絶対に自らヒールと名乗らず、本当はいい人なんて思もわせず、自分を犠牲にし憎まれながら見る人に腹の底から憎悪を抱かせる、本物のヒールを・・・感情を揺さぶる悪党を!!
そう、あの映画で本物のヒールを教えてくれたのは、りんごちゃんではなかったか!?
映画に感動するもよし。たくさん出ているレスラー目当てもよし。豪華俳優陣を見るもよし。しかしプロレスファンなら、りんごちゃんを見ずに何を語る!?
今の時代に!?この映画に!?何言ってるの!?あ~なんとでも言え。これが昭和のプロレスファンの映画の見方さ!!
って、なんだか的はずれな感想になってしまいましたが、ここまで読んでくれた人。最後までありがとう!!機会があれば見てくださいね~。りんごちゃんをね。