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Channel: 団塊Jrのプロレスファン列伝
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プロレス研究所 特別編~ブログの歴史を見てみよう パート3~

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パート2からの続きです、

探偵「それにしても博士、ブログの創世となった97年から02年、わずか5年の間にブログは恐ろしいほどのスピードで格段の進化と発展を遂げて行ったんですね。これほどまでとは思いませんでした」

博士「しかしだ、先にちょっと話したブログの"定義"から見てみると97年以前からブログが存在したような話になり、複雑になるんじゃよ」

探偵「定義ですか・・・」

探偵「博士、そのブログの定義というのはどんなものなんですか?」

博士「うむ。ブログの定義は

"頻繁な更新"
"他のサイトへのリンクが多い"
"基本、内容はリンクと短いコメントという形式"

といったものがそうではないかと言われてはおる」

探偵「言われてはおる?ということは?」

博士「提唱者がわからんのじゃ」

探偵「う~ん・・・」

博士「ウェブログの名付け親のジョーン・バーガー氏のところでブログの定義のことが出たが、ではバーガー氏の言うブログの定義は、定めたものどこにあるのか?どこで読めるのか?実際にはがわからない。なので確認できん」

探偵「では先にあげたこの定義は?」

博士「いつ誰が上げたのかもわからん」

探偵「うむぅ・・・」

博士「IT用語辞典e-Wordsによれば

"個人運営で日々更新される日記的な Webサイトの総称。一般的には、単なる日記サイト(著者の行動記録)ではなく、ネットで見つけた面白いニュース記事や Webサイトへのリンクを張り、そこに自分の評論を書き加えた記事が時系列に配置されているWebサイトのこととされているが、厳密な定義はない"

となっておる。形的にはこうだが、だからと言って完全な形はない。なのでブログに定義はない、とする考えなんじゃろうな」

探偵「あるようでない。定義がないことが定義?しかし博士、ウィナー氏やバーガー氏、バレット氏のお話のときはブログというのがよく伝わってきたんですが、ボクにはどうも引っ掛かる点が・・・」

博士「ほう。何かね」

探偵「ネットのことをリンクをして短い意見や感想を入れ時系列に配置、そして頻繁に更新しているもの、しかし定義がないのがブログというのなら、たとえばまだブログの概念がなかった頃の個人のホームページなどはどうでしょうか?

博士「ほほう」

探偵「90年代、パソコンが普及しはじめてホームページを作る人が日本にも現れはじめました。そこであったものこそ"ウェブ日記"です。日々のことを写真付きで紹介し、リンクだってありました。観覧者とのやり取りもありましたよ。だとすれば、それはたとえば子供の成長を綴ったものや、草花や生物の観察記録、日々の料理のレシピを記したようなウェブ日記らは、みなブログではなかったでしょうか?」

博士「ほうほう、なるほど」

探偵「当時のサイトには、先に話したブログの要素を持ってるものはたくさんありましたよ。それにかつてはネットを席巻していた2ちゃんねるのような掲示板群だって、ブログに当てはまってしまうものがあったはずです。それこそ現在のTwitterやInstagramなんか完全なブログですよ」

博士「さすが探偵さんじゃな。今の話を踏まえて・・・93年、こんなものがあった」

探偵「はい」

博士「93年6月14日。最初のウェブブラウザーNCSA Mosaic(エヌシーエスエー・モザイク)の発明者であるMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)という人物がおったのじゃが」

探偵「エヌシーエスエー・モザイク?」

博士「これはテキストと画像を同一のウインドウ内に混在して表示させることができるウェブブラウザのことじゃ。エヌシーエスエー・モザイク以前はテキストと画像は別々に出ていたんじゃよ」

探偵「へぇ・・・」

博士「で、このアンドリーセン氏のやっていたWhat's New(ホワッツ ニュー)というサイトがあったんじゃが、アンドリーセン氏のそれはウェブ上で見つけた興味深いサイトをリンクし、日々紹介するという形だったそうじゃ。更新は96年まで3年間、行っていたそうじゃよ」

探偵「やっぱり!!97年にウィナー氏やバーガー氏が発する4年も前にブログがあったということに!!もし96年に終わっていなければ、これこそがブログの祖ですよ!!」

博士「当てはめれば、そういうことになるな。もうひとつ紹介しておこう。94年1月、Justin Hall(ジャスティン・ホール)なる人物がJustin's Homepage(ジャスティンズ ホームページ)を開設する。ここでホール氏はアンダーグラウンド、つまり表向きでないリンクのページを設け、ここでアングラサイト(表向きにできない内容のサイト)をリンクし更新していったんじゃが」

探偵「アンダーグラウンド、影や闇かぁ・・・」

博士「察するとおり、ここでのリンクやブログ内容は健全とは言いがたいものが多い。しかし内容は別として、キミの言う"あるようでない。定義がないのが定義"をブログとするならば、ウェブ関係を職業としない、個人開設のブログとしてはこれが最古のものになる。ちなみに現在も更新が続いているそうじゃ」

探偵「他には、どのようなものがありますか?」

博士「では日本のものを紹介しよう。日本において現在確認できるものは95年4月から2009年12月まで、SFの世界では有名な大森望が「狂乱西葛西日誌」という名で書いていたそれじゃ。ウェブ日記と称されるが、定義がないのが定義なら、これもブログじゃな」

探偵「更新は止まってますが、今も読めるんですね」

博士「そしてもうひとつ。同じく95年8月から始まった「たつをのChangeLog」じゃ。"現存していて開始時期が明確で、はっきりと過去ログが追えて更新が停止してないもの"では、これが世界最古のブログということになる」

探偵「最古ですか」

博士「しかし、最古という言葉は広くてな。90年代、世界的に見れば普及率こそ低かったがネットはあった。だからわかっていないだけで、アメリカや日本以外の国にもホームページでウェブ日記を綴っていた人はいたかもしれん。だからもっと以前から、ブログと呼べるものは存在していたかもしれんのだ」

探偵「確かに、現在は確認ができないからわからないだけで、ヨーロッパ圏やアジア圏など、他の国にはブログと呼べるものが、今、紹介したアメリカや日本のそれ以前からあったかもしれませんね。あるようでない。定義がないことが定義なら、いろいろな思いが広がりますね」

博士「そうじゃな。さて、長く話してきたが・・・ブログの歴史はだいたいこのような感じじゃ。これだけ知っとれば、どこで話しても大丈夫だと思うぞ」

探偵「はい。わかりやすく、そしてとても勉強になりました。ありがとうございました。最後に、博士にとってブログとは?を教えていただけますか?」

博士「そうじゃな。ブログが生まれ、歳月と共にツールが進化し、様々な書き手を増やしていったが・・・こうしてブログが今日までこれたのは

"人が人に伝える"

ということが主だったからではなかったかとワシは思ってるんじゃ」

探偵「伝える、ですか・・・」

博士「人が人へ、何かを伝えたい。形はどうあれ、その伝えたい方法のひとつがブログではなかったのかな?何かを伝えたいと感じることができるものこそ、ブログなんじゃないかなと・・・」

探偵「はい」

博士「人は古来から話せない相手には"文(ふみ)"を使って気持ちを伝えてきた。それは近状や状況であったり、感謝だったり、謝罪だったり、恋愛だったり・・・遠くても近くても、口では伝えられなくても"文(ふみ)"ならば伝えられた」

探偵「そうですね」

博士「そしてそれは心に残ったんじゃ。時代は変わった。筆からペンになり、タイプライターになりワープロになり、そしてネットになった。メールやLINE、SNSが繁栄して、文面や言葉使いも変わった。しかし人間の伝えたい本質が"文(ふみ)"であることには変わりはないからな。だからワシはブログとは、人が人に伝える心の現れだと、そう思う」

探偵「はい」

博士「だが、最近ネット上では匿名なのをいいことに、特定の人物に誹謗中傷や非難を加えたり、無理やりアラを拾っては罵倒したり、集団で追い込んだりするような風潮がある。かつてはなかった、炎上という状況も生み出された。せっかく世界が繋がるんじゃから、まずは相手の気持ちを考え、きれいな"文(ふみ)"で話してほしい。そういうことはなくなってほしいものじゃな」

探偵「そうですねぇ・・・」

博士「・・・」

探偵「博士!?」

博士「そう、こんな世の中だからな、世界が繋がるんじゃ・・・」

探偵「どうしたんですか?」

博士「実は・・・先日、息子のブログを偶然見つけたんじゃ。だいぶ変わっておったがまちがいない。息子じゃ」

探偵「そうなんですか!!それはよかったじゃないですか!!」

博士「いやぁしかし、それ以上はいいんじゃ。なくていいんじゃよ・・・」

探偵「博士、連絡もなく行方もわからなかった息子さんとブログを介して繋がったんですよ!!会いましょう!!話しづらいなら息子さんのブログのコメントからやり取り始めてもいいじゃないですか!!まさに博士の言ってた人が人に伝える、文(ふみ)じゃないですか。ボクも協力しますよ!!いえ、ゼヒ協力させてください!!」

博士「しかし・・・」

コンコン

探偵「あれ?どなたか来たようですよ?」

博士「おかしいな?今日はキミ以外と会う約束はしとらんが・・・」

探偵「ボクが見てきます」

ガチャ

?「失礼します。こちらは一ノ谷博士の研究室で・・・」

探偵「は、はい(女性!?いやしかし声が野太いし顔がなんか・・・これは男性じゃ!?)」

?「博士は・・・」

探偵「あ、あちらにいます。博士、お客様なんですが・・・」

博士「客?お、おまえは・・・」

探偵「・・・?」

?「お父さん・・・」

探偵「お、お!?」

博士「し、知らん!!ワシはおまえなど知らんぞ!!」

義作「お父さん、義作よ、あなたの息子の義作よ!!30年前に家出した!!」

探偵「息子!?は、博士これは一体!?」

博士「息子じゃよ・・・」

探偵「ですがこれ、お」

博士「さっき話した息子のブログじゃ。見てみろ」

探偵「な!?ギッチーのオシャマ・デ・ラブナイト!?な、なんですかこれは・・・」

博士「息子はな、女装マニアだったんじゃよ。だから自分の女装姿を撮ってブログに10年以上もアップしていたんじゃよ・・・」

探偵「そ!!いやでもどうやって!?どう検索したらこれがヒットするんですか!!」

博士「武田久美子じゃよ・・・ほれ」

探偵「た!?貝殻!?何々!?今日は浜辺でオールド・ディ♪武田久美子に変身よ!?」

義作「お父さん、私が悪かったの。謝ります。どうか許してください!!そしてまた一緒に暮らしましょう!!」

博士「いやに決まってるじゃろ!!貝殻から息子はみ出させてる息子を、息子なんて呼べるかー!!」

探偵「は、博士・・・」

義作「お、お父さん!!」

博士「とーさんと呼ぶなぁーんぁぁー!!だから会いたくないって言ったんじゃ!!それ以上はないって言ったんじゃー!!」

義作「お父さん、お願いです!!一緒に暮らしましょう!!」

博士「助けて・・・助けて!!」

探偵「い、いや、ぼ、ボクは!!」

博士「協力するって言ったよね!?ねぇ言ったよね!?ゼヒ協力させてくださいまで言ったよー!!」

探偵「それは、あの、あし」

博士「マテ茶!!あげるから!!ね!!今日は一緒にいてー!!」

探偵「いりません!!し、失礼します!!」

ということでブログの歴史、いかがでしたでしょうか?

現在、人類の歴史を追っていくと、我々人類の祖先はアフリカで誕生し、そこから世界へ広がっていったというアフリカ単一起源説と、祖先となるものはアフリカだけでなく、世界中のいろいろな場所で同時期に複数誕生し、そこから広がっていったという多地域進化説の、このふたつの仮説が上げられています。

単一起源、多地域進化・・・そうそれはネット上で、たったひとりが始めたものから広がっていったのかもしれませんし、あるいは世界の各場所で、同時期に複数が始めたものだったかもしれません。やがてそれらは進化し、発展しながら世界に広まっていきました。そう、現在まで続いている数あるブログは、そうやってボクらのところまでたどり着いたのです。ブログの歴史、それはもうひとつの人類の歴史、なのかもしれませんね。

さて、本年はこれが最後の更新になります。2018年もお付き合い、ありがとうございました。

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