どうも、流星仮面二世です。
遅くなってしまいましたが・・・先月7月30日にブラック・タイガー、ローラーボール・マーク・ロコが亡くなりました。まだ69歳・・・なんとも言葉になりません。本当に残念ですが、悲しむことより、ここは日本での活躍をみなさんと一緒に振り返り、追悼したいと思います。
さて、突如として日本に現れ全国のプロレスファンを震撼させたブラック・タイガー。その正体、マーク・ロコは1970年2月にデビュー。イギリスを主戦場にヒールとして活躍していたといいます。日本へは1979年9月に国際プロレスに初来日。このときは阿修羅・原の持つWWU世界ジュニアヘビー級王座に挑戦していると、いうことなんですね。
そして初来日から約2年半が経った82年4月21日。新日本プロレスに登場するわけなんですが、これが衝撃だったわけですね。
ということで今回は82年から83年に行われた初代タイガーマスクとのシングル、タッグ全戦とシリーズ参戦中に行なわれたブラック・タイガー関連の気になったカードをピックアップしながら振り返っていきます。では、見ていきましょう。
1982年
◎難民義援金募集チャリティ特別試合
4月21日 蔵前国技館 (水曜スペシャルで生中継)
WWFジュニアヘビー級級選手権試合 60分1本勝負
タイガーマスクvsブラック・タイガー
タイガー(14分17秒 両者リングアウト)ブラック・タイガー
さあ、まずは衝撃の初登場からです。これはボクが小学4年生になったばかりのときでしたね~。とにかく鮮烈でした。このときは次週登場するというような形で、前の週にテレビにほんの数秒だけ映し出されたんですね。しかしこれがこう、あまりはっきり見えないものだったんですよ。わかることはタイガーマスクと同じマントに同じマスク、そして同じコスチューム。で、黒い!!ということでした。
くっ、黒いタイガーマスク・・・何!?何なんだ!?何このタイガーは!!子供心にビーンときましたね。学校でも「来週、黒いタイガーマスクが出るんだよ!!」と夢中でした。
で、当日です。ブラウン管に映し出されたのがこれでした。
こ、これがブラック・タイガー!!(紫レガさんのブログ「追悼・暗闇脳天!」より画像をお借りしました)
初めて見るブラック・タイガーに、本当だ!!タイガーマスクと同じだけど、黒い!!と身を乗りだしたのを覚えています。そして試合が始まればタイガーマスクが大苦戦。まったくいつもの動きができず攻められっぱなしとなり、その様子には子供ながらに異様さを感じてました。
ボディスラムじゃないのかっ!!いきなり軌道を変え放ったように見えたパイルドライバーに、ただただ驚いた・・・それが恐怖の暗闇脳天を初めて見た感想だった
こんなにタイガーマスクが攻められたのはエル・カネック戦以来だ。でもカネックのときとはなんかちがう・・・ブラック・タイガーに与えられるものは、なんというんでしょうか?あれは不安感、ストレスだったんですかねぇ~。プロレス見てて初めての感覚でした。
しかしそんな中でも、子供のボクにとって一番それを感じた、衝撃だったのはこれでした。
なっ!!
ジャーマン・スープレックス・ホールド防ぐなら、普通はロープに逃げるか足をフックするかなのに!!ずるい!!とテレビの前で憤慨したものでした。
結果は、あのタイガーマスクが押され気味で両者リングアウト・・・いや、実際にはタイガーマスクがリングアウト負けを取られてもというギリギリな両者リングアウトでした。
終始、完全に主導権を握られていたタイガーマスクにショックが隠せなかった
急所をやられてなければ!!と思いましたが、しかしこの日まったくいいところがなかったタイガーマスクの姿に、ブラック・タイガーの衝撃は強くなるばかりなのでした。
こうして、このあとブラック・タイガーは日本に残留し次期シリーズへフル参戦となります。続けて見ていきましょう。
◎ビッグファイトシリーズ
4月23日 大宮スケートセンター(開幕戦)
ブラック・タイガーvs星野勘太郎
ブラック・タイガー(8分42秒体固め)星野
4月21日の衝撃の蔵前参戦からビッグファイトシリーズに残留。シリーズフル参戦となったブラック・タイガー。これがそのシリーズ第1戦目になります。シリーズ中の地方でのシングルでは、この星野、寺西との対戦が非常に多く見られました。
4月25日 山形県・川西町民総合体育館
タッグマッチ45分1本勝負
タイガーマスク、グラン浜田vsホセ・ゴンザレス、ブラック・タイガー
タイガー(12分18秒体固め)ゴンザレス
この日は4月21日にタイガーマスクと対戦して以来、シリーズで初めての絡みとなりました。新日本プロレスの時代背景としては猪木が右膝半月板損傷のため、この次の大会からシリーズ欠場。藤波、タイガーマスクが奮闘することになります。
4月28日 長野県・長野市民体育館
6人タッグマッチ60分3本勝負
タイガーマスク、グラン浜田、藤波辰巳vsカルロス・ホセ・エストラーダ、ペロ・アグアヨ、ブラック・タイガー
①(9分12秒 両軍リングアウト)
②藤波(4分40秒 体固め)エストラーダ
こちらは6人タッグマッチですが、このシリーズでブラック・タイガーがペロ・アグアヨ、古舘さん風に言えばペーロ・アグアイヨですね。こちらと組んでいる試合が何試合かみられましたが、これはいいタッグですね~。ブラック・タイガーの攻撃はみなさん知ってのとおりですが、このアグアヨの攻めもとにかくキツいんですよ。流血は朝飯前。本当にルチャリブレなのか!?というくらいの荒っぽさで、ラフファイトではブラック・タイガーを凌ぐほどの勢いです。そんな攻撃の手を緩めない、荒々しく、しかも休まずガンガン攻めてくるというタイプのふたりが手を組んでいたとは・・・プロレスの過去を調べるのは本当におもしろいですね。
また81年末にヘビー級に転向し82年1月から飛龍十番勝負を展開していた藤波とブラック・タイガーの絡みも見応えがありました。ヘビー級のパワーを身に付けながらスピーディーな試合展開で躍動する藤波とブラック・タイガーの対決・・・ぜひシングルで見てみたかったです。
そして、かつてその藤波とWWFジュニアヘビー級王座を争ったカルロス・ホセ・エストラーダですが、いやぁ~いいレスラーですね。エストラーダ、とにかく"試合で相手を引き立たせる"というですね、これが本当にうまいですね。パフォーマンスやアクションしながら、そういう中でちゃんと試合の流れが見えているんですね。その上でうまく動いて、いいところを相手に出させるんですね。自身は勝つことはなくても、必ず試合で相手を光らせる・・・こういういいレスラー、今いなくなりましたね。学ぶべきところだと思いました。
4月29日 埼玉県・熊谷市体育館
タッグマッチ 45分1本勝負
タイガーマスク、グラン浜田vsホセ・ゴンザレス、ブラック・タイガー
浜田(8分48秒 体固め)ゴンザレス
4月30日 神奈川県・大和市車体工業体育館 (テレビ生中継)
30分1本勝負
ブラック・タイガーvs星野勘太郎
ブラック・タイガー(11分33秒 体固め)星野
4月25日の山形県の川西町民体育館を最後に猪木か欠場してからの初めてのテレビマッチとなったこの日は、地方で数多く組まれていたブラック・タイガーvs星野がテレビ初お目見え。星野は元気いっぱいなときでしたので、ブラック・タイガーの相手にはまさにうってつけでした。ボクはこの頃に星野がリング内で見せるトペが好きでしたね~。
一方、ライバルのタイガーマスクはこの日、グラン浜田と組んでペロ・アグアヨ、レス・ソントンと対戦しますが、この翌日5月1日より右膝内側靭帯損傷のため欠場となってしまいます。新日本は猪木、タイガーマスクが不在となり大変なシリーズとなっていきました。
5月6日 福岡スポーツセンター (5月7日テレビ録画中継)
WWFジュニアヘビー級王座決定戦 60分1本勝負
ブラック・タイガーvsグラン浜田
(11分31秒 両者リングアウト)
延長戦 30分1本勝負
ブラック・タイガー(6分35秒 リングアウト)浜田
タイガーマスクが負傷による欠場でWWFジュニアヘビー級選手権を返上。空位となったため、この日はブラック・タイガーとグラン浜田で決定戦が行われました。試合は一度は両者リングアウトでの引き分けとなりましたが、延長戦を制したブラック・タイガーが新王者となりました。
浜田を下し第7代目のWWFジュニアヘビー級王者となったブラック・タイガー。これが日本での最初で最後のタイトル栄冠だった
タイトルを奪取し勢いにのるブラック・タイガーは負けなしでシリーズを爆進します。そして王座に就いたことで、こんなカードも実現しました。
5月7日 鹿児島県・出水市総合体育館
タッグマッチ 30分1本勝負
ブラック・タイガー、レス・ソントンvs星野勘太郎、木戸修
ブラック・タイガー(12分45秒 体固め)木戸
5月8日 福岡県立久留米体育館
タッグマッチ 30分1本勝負
ブラック・タイガー、レス・ソントンvs寺西勇、アニマル浜口
ブラック・タイガー(10分55秒 体固め)寺西
こちらの2試合はNWA、WWFの両ジュニアヘビー級王者がタッグを組むという非常に珍しいものになります。すべて調べたわけではないので絶対とは言えないんですが、両ジュニア王者がタッグを組んだのは歴史上、おそらくこれだけだったんじゃないかなと思います。ちなみにブラック・タイガーとレス・ソントンが日本で同じシリーズに参戦したのはこのときのみなので、ふたりの日本でのタッグもこのときのみとなります。
5月21日 高松市民文化センター(6月4日テレビ録画中継)
タッグマッチ45分1本勝負
ブラック・タイガー、ペロ・アグアヨvsグラン浜田、星野勘太郎
(13分14秒両者リングアウト)
先にもお話しましたが、これがまさにブラック・タイガー、ペロ・アグアヨの暗闇の虎と山犬の強力タッグですね。レス・ソントンと同じく、ブラック・タイガーとアグアヨが新日本で同じシリーズに参戦したのもこれのみなので本当に貴重なタッグがいろいろ組まれていたんですね。それにしてもこれはいいタッグです。ヨーロッパとメキシコの軽量級のトップ同士のタッグチームですから、このクラスの最強チームと言っても過言ではないと思いますね。
さて、5月1日より負傷欠場していたタイガーマスクですが、この日より復帰となります。実はYouTubeでタイガーマスク、木戸修vsカルロス・ホセ・エストラーダ、ホセ・ゴンザレスというタイガーがオレンジ色という珍しいカラーのマスクで試合している映像があるんですが
あれがおそらくこの復帰戦の試合だと思います。この方は9年前にこの動画をYouTubeへアップしていますが、映像の説明には、なんと30年間ビデオに保存していたものだとありました。スゴいですね!!しかし、ということはブラック・タイガーとアグアヨのタッグの映像もどこかにあるのかなぁ?あるなら見たいなぁ~。
5月22日 徳島県・徳島市体育館
タッグマッチ 45分1本勝負
タイガーマスク、グラン浜田vsカルロス・ホセ・エストラーダ、ブラック・タイガー
タイガー(8分51秒 体固め)エストラーダ
5月24日 京都府立体育館
タッグマッチ 30分1本勝負
ブラック・タイガー、レス・ソントンvs寺西勇、アニマル浜口
ブラック・タイガー(10分48秒 体固め)寺西
これもNWA、WWFの両ジュニアヘビー級王者のタッグとなりましたが、ソントンはこの翌日25日に静岡県の静岡産業館でタイガーマスクとNWA世界ジュニアヘビー級選手権を行い王者から転落。ブラック・タイガーはNWA世界ジュニアヘビー級王者となったタイガーマスクとWWFジュニアヘビー級王座をかけ激突しますので、この試合が両王者最後のタッグとなりました。
5月26日 大阪府立体育会館 (5月28日テレビ録画中継)
WWFジュニアヘビー級級選手権試合 60分1本勝負
ブラック・タイガーvsタイガーマスク
タイガー(14分15秒 体固め)ブラック・タイガー
ということで前日に静岡産業館でレス・ソントンからNWA世界ジュニアヘビー級王座を奪取したタイガーマスクとWWFジュニアヘビー級王者のブラック・タイガーの対決です。もはや"栄光のジュニアヘビー2冠王"といえば有名な試合ですが、初代タイガーマスクが挑戦者として選手権試合を行ったのは先のレス・ソントン戦と、このブラック・タイガー戦のみ。王者ブラック・タイガー側からすれば、まさに虎の子タイトルの初防衛戦となりました。
試合では、いつもならのラフファイトで攻め、最後は暗闇脳天からトップロープ、フィニッシュを狙ったダイビング・エルボードロップを敢行しますが交わされ自爆。逆にツームストーン・パイルドライバーを食らい初公開にして新兵器のムーンサルト・プレスを受け、残念ながら敗れてしまいました。
しかし試合後、納得のいかないブラック・タイガーは「もう一度挑戦させろ!!」と、感情を露にマイクアピールし迫ります。そして、このあとタイガーマスクに襲いかかります。
激しく捲し立てたブラック・タイガーは激昂しタイガーマスクに突進しますが・・・
ガイン!!「ブギャ!!」
いや、ここは一応ね、やっておきませんとね・・・
5月27日 兵庫県・丹波篠山温泉(最終戦)
タッグマッチ 45分1本勝負
タイガーマスク、星野勘太郎vsカルロス・ホセ・エストラーダ、ブラック・タイガー
タイガー(11分50秒 体固め)エストラーダ
ということで大阪での決戦を終えた翌日。ブラック・タイガーが初めて新日本のシリーズにフル参戦したビッグファイトシリーズも最終戦を迎えます。最後は兵庫県の丹波篠山温泉でタイガーマスクとのタッグ対決で終了と、いうことでした。
ところでこの最終戦会場となった丹波篠山温泉ですが、実はこれ、どこだかわからないんですよ。というのも丹波篠山温泉というのは固有の温泉宿やホテルを指す言葉ではでなく、温泉地帯、温泉郷一帯を指す呼び名のようなんですね。なので丹波篠山温泉の何温泉だったのかは特定できなかったんです。
観衆は2600人とあったので、どこか大きいホテルの大ホールだったのか?それとも温泉宿の駐車場の特設リングだったのか・・・もはや調べることは不可能ですが、最終戦ということで試合が終わったあとはこの温泉郷でそのまま一泊。日本での長くハードなシリーズ参戦を終えたブラック・タイガーも温泉の湯船に浸かり、疲れを癒したのかもしれないですね。
◎ブラディファイトシリーズ
8月27日(金) 後楽園ホール (開幕戦)(地方のみテレビ中継)
タッグマッチ 45分1本勝負
タイガーマスク、藤波辰巳vsピート・ロバーツ、ブラック・タイガー
藤波(10分47秒 回転足折り固め)ロバーツ
さて、衝撃の初登場から4ヶ月が過ぎた8月末。ブラック・タイガー2度目のシリーズ参戦となりましたブラディファイトシリーズが開幕します。開幕戦では、まずはタッグでピート・ロバーツと組んでタイガーマスク、藤波と対戦します。
ピート・ロバーツはご存知のとおりイギリス出身でイギリスが主戦場。ブラック・タイガー、マーク・ロコとは同じ時代を経ており対戦経験もあるとのことですが、日本でふたりが同じマットに顔を揃えたのはこのシリーズのみ。今に思えば大変貴重なシリーズでした。
なぜ入ってくるんだ!?試合開始早々、ブラック・タイガーのカットに不満を露にしたピート・ロバーツはこの表情。口論となり、一瞬ヒヤリとなった
ボクあれなんですよ、ピート・ロバーツも好きなんですよ。腕を取って足を取って、その過程がとにかく滑らかで、細かいところが丁寧でうまいんですね。かつては藤波と、そしてタイガーマスクとも戦いました。ブラック・タイガーとの試合は日本では実現しませんでしたが、実現したらおもしろかっただろうなと思いました。
そしてヘビー級のパワーを身につけた藤波と荒ぶるブラック・タイガーの絡みも興味津々
そして藤波ですね。ブラック・タイガーとはタッグのみで、この時代にシングルは実現しませんでした。ジュニアヘビーのスピードをそのままにヘビー級のパワーを身につけた藤波に、全盛期のブラック・タイガーの猛攻・・・このあたりゼヒ見てみたかったです。
8月28日 神奈川県・大井町スーパーマーケット・ヤオヤサ広場
タッグマッチ 45分1本勝負
タイガーマスク、星野勘太郎vsルイス・マリスカル、ブラック・タイガー
タイガー(10分42秒 体固め)マリスカル
開幕戦からシリーズ2戦目では、ブラック・タイガーはメキシコのルイス・マリスカルと組んでのタイガーマスクとの対戦となりました。このパートナーのルイス・マリスカルはメキシコ出身のレスラーのようなんですが、詳しい資料がなく詳細はわかりませんでした。
代わりといってはなんですが、会場となった大井町スーパーマーケット・ヤオヤサ広場について調べましたのでご紹介します。ここはヤオヤサ株式会社として大正8年創業、昭和51年設立という神奈川県小田原市を中心に11店舗を構える地域の老舗有名スーパーと、いうことなんですね。で、この会場となった場所はヤオヤサ大井町店としてスーパーとTSUTAYAを共有し現在も地域の幅広い年齢層から指示され、暮らしを支える重要な場所となっているそうです。お近くの方はお買い物ついでにゼヒですね、ああ~今日車を停めたこの駐車場に昔タイガーマスクとブラック・タイガーが来て戦ったんだなと、思っていただければうれしく思います。
8月29日 田園コロシアム
WWFジュニアヘビー級級選手権試合 60分1本勝負
タイガーマスクvsブラック・タイガー
タイガー(18分3秒 リングアウト)ブラック・タイガー
さて、プロレスの世界には"幻の田コロ決戦"という言葉がありますが・・・この試合は人気絶頂のタイガーマスクがブラック・タイガーとシングル対戦するという超人気のゴールデン・カードにしてWWFジュニアヘビー級選手権試合だった、にもかかわらず!!なぜかノーテレビで試合映像も残っていないという、本物の"幻の田コロ決戦"となった大会でした。
真夏の野外試合ながら試合開始時間が13時という異例の興行だったが、観衆10800人(満員)を動員した
当時はまだ使い手が少なかった雪崩式ブレーンバスターを対タイガーマスク戦の秘密兵器として使用していたブラック・タイガー。この日もタイガーマスクを追い込んだ
しかし、やはり世の中マニアがいるんですね~。この映像が後年発掘されたというんですね。ボクはずっと見ることはできなかったんですが、数年前にここにコメントくださいますaliveさんよりこの秘蔵映像をいただき拝見できた次第です。こういうプロレスファンの力、探求心にはいつも驚かされます。
9月2日 茨城県・笠間市民体育館
45分1本勝負
タイガーマスク、木村健吾vsルイス・マリスカル、ブラック・タイガー
タイガー(9分22秒 体固め)マリスカル
9月4日 熊本県・玉名市寿屋駐車場
タッグマッチ45分1本勝負
タイガーマスク、藤波辰巳vsピート・ロバーツ、ブラック・タイガー
藤波(11分50秒 逆エビ固め)ロバーツ
9月6日 熊本県・熊本市体育館
30分1本勝負
タイガーマスクvsブラック・タイガー
(11分22秒 両者リングアウト)
で、こちらはですね、注目していただきたい熊本市体育館なんですが、なんとノンタイトル、ノーテレビでありながらタイガーマスクvsブラック・タイガーのシングルが組まれていました。言うまでもなくゴールデン・カードのこの対決。この日、この試合を見れたファンはラッキーでしたね~。うらやましい!!
9月8日 長崎県・大村市民体育館
ブラック・タイガーvs藤原喜明
ブラック・タイガー(12分29秒 体固め)藤原
先にも触れましたが、ブラック・タイガーの地方でのシングルは星野、寺西と組まれることが多かったんですが、この日のみ藤原とのシングルが行われていました。まだ藤原はブレーク前。おそらく最初で最後のシングル対決と思われます。貴重な一戦でしたね。
9月9日 長崎県・佐世保スポーツランド
タッグマッチ 30分1本勝負
タイガーマスク、星野勘太郎vsビジャノⅢ、ブラック・タイガー
タイガー(12分34秒 体固め)ビジャノ
イギリスが主戦場だったブラック・タイガーでしたので、これまで縁がなかったメキシコのアグアヨとの貴重なタッグも実現しましたが、このビジャノⅢとのタッグも貴重でした。ふたりが同じシリーズに参戦したのはこれのみになりますので、このタッグもこのときのみ。マスクマン同士とはいえ異色タッグですね。
9月15日 長野県・穂高町民会館
タッグマッチ 30分1本勝負
タイガーマスク、星野勘太郎vsクリス・アダムス、ブラック・タイガー
タイガー(9分47秒 体固め)アダムス
この日のタッグ・パートナーのクリス・アダムスもイギリス出身ですが、78年にイギリスでデビューし、3年後の81年にはアメリカに渡っているのでブラック・タイガーとのイギリスでの接点はいかに・・・これはわかりませんでした。しかしピート・ロバーツやビジャノと同じく、ふたりが日本で同じシリーズに参戦したのはこれのみなので日本ではここだけになります。ブラック・タイガー参戦のシリーズは貴重の宝庫ですね。
9月18日 宮城県・気仙沼市朝市広場
タッグマッチ 30分1本勝負
タイガーマスク、木戸修vsピート・ロバーツ、ブラック・タイガー
タイガー(10分27秒 回転エビ固め)ロバーツ
9月19日(日) 後楽園ホール(地方のみテレビ中継)
タッグマッチ 45分1本勝負
タイガーマスク、星野勘太郎vsビジャノⅢ、ブラック・タイガー
タイガー(15分54秒 体固め)ビジャノ
10日前に長崎でタッグを組んだブラック・タイガーとビジャノⅢが、この日もタッグ結成。9日と同じ相手のタイガーマスク、星野組と対戦となりました。
試合はこの2日後に大阪で行われるタイガーマスクとブラック・タイガーのWWFジュニアヘビー級選手権の前哨戦ということで両者の意識が高い一戦となりました。そして先にも述べたようにブラック・タイガーとビジャノⅢが同じシリーズに参戦したのはこれのみなので貴重なタッグですが、この試合は映像がありましたので前哨戦とビジャノⅢとのタッグの様子を合わせて知ることができました。
ブラック・タイガーは、試合では細かなラフファイトを重ねながら休むことなく連続で攻めては、タイガーマスクがバックに回れば得意の急所蹴りで即対応と相変わらずの荒々しさを見せていました。
星野を得意のロープ拘束刑ドロップキックへ持っていかんとアピールするブラック・タイガー。相手を選ばず、いつ何時もアグレッシブに攻めるファイトスタイルは本当に手強い
そんな果敢に攻めるブラック・タイガーのタッグパートナー、ビジャノⅢですが、得意のメキシカン殺法を繰り出しながらも一歩引いた感じでブラック・タイガーをうまくサポートし、試合を引き立たせていました。
ブラック・タイガーのファイトを支える形となったビジャノⅢ。ツープラトンやタッチワークも多く、意外なほど好連携を見せた
序盤から息の合った攻撃を見せて試合をリードしたブラック・タイガーとビジャノⅢ。年間試合数で圧倒的な数のタッグマッチを行うメキシコ、ルチャリブレ。そんな中でもタッグ、トリオのタイトルを数多く獲得しては活躍してきたビジャノⅢだからこそ、場所、相手を選ばない"うまい"タッグマッチを展開できたんだなと思いました。
9月21日 大阪府立体育会館(10月1日テレビ録画中継)
WWFジュニアヘビー級級選手権試合 60分1本勝負
タイガーマスクvsブラック・タイガー
タイガー(19分8秒 エビ固め)ブラック・タイガー
このシリーズ2度目の王座挑戦となった大阪決戦。王座奪還を狙うブラック・タイガーは、この日も得意のラフファイトで攻めまくります。
パンチにキック、そしてエルボーと細かな技を連続し、常に攻勢を取るブラック・タイガー。絶対にペースを握らせない・・・これが最も恐ろしいところだ
そしてタイガーマスク必殺のジャーマン・スープレックス・ホールドも、あの急所蹴りで返し追い詰めますが・・・
正確に決まるジャーマン・スープレックス・ホールド封じの急所蹴りは、反則ながら納得すら覚えてしまうほど見事。その完成度には驚かされるばかりだ
しかし、この急所蹴りからブレーンバスターで勝負に出た直後、体勢を入れ替えたタイガーマスクに後方から飛び付かれ、エビに丸められて無念のフォール負けとなってしまいました。
攻め込みながらも一瞬のスキをつくエビ固めに敗れた
急所蹴りで優位に立ったことで油断したのか・・・タイガーマスクのあまりの電光石火にフォールされたことが一瞬わからないほどのブラック・タイガー。気がつけば王座返り咲きはなりませんでした。
9月23日 群馬県・館林分福ヘルスセンター大駐車場(試合開始12時15分)
タッグマッチ 30分1本勝負
タイガーマスク、星野勘太郎vsビジャノⅢ、ブラック・タイガー
タイガー(13分12秒 体固め)ビジャノ
9月23日 大宮スケートセンター(最終戦)(試合開始18時30分)
タッグマッチ 30分1本勝負
タイガーマスク、木戸修vsクリス・アダムス、ブラック・タイガー
タイガー(12分52秒 体固め)アダムス
そして昔話の「ぶんぶく茶釜」由来のお寺、茂林寺のお膝元の館林分福ヘルスセンターと最終戦の埼玉県の大宮スケートセンターとなるわけなんですが・・・この2大会、対戦カードこそシリーズ中はよく見られたものだったんですが、不思議なことに、どちらも日付が一緒なんですよ。
今回、試合結果を2冊の本を用い調べていたのですが、最初これは片方の本の印刷ミスだと思ったんですよ。でも、もう1冊の本も同じ日付になってるんですね。2冊どちらも印刷ミスというのは、どうもおかしいなぁと・・・
で、試合開始時間を見たらですね、かたや12時15分、かたや18時30分なんですよ。ということはこれ、1日2回興行だったんじゃないかなと・・・
確かに群馬の館林から埼玉の大宮だと高速使えば1時間くらい、下道で行って少々渋滞見込んでも2時間以内には着くはずなので1日2回興行も不可能ではないとは思います。この日の詳しい事情はわかりませんが、あの頃の新日本は年間200~220試合を行っていましたから1日2回興行が行われていても不思議ではないんですよね。可能性は高いんじゃないかなと思います。アツい時代でしたね。
1983年
◎新春黄金シリーズ(開幕戦)
1月1日 後楽園ホール
タッグマッチ 30分1本勝負
タイガーマスク、グラン浜田vsカルロス・ホセ・エストラーダ、ブラック・タイガー
タイガー(10分26秒 体固め)エストラーダ
さて、ブラック・タイガー初参戦から明けた83年。この新春黄金シリーズがブラック・タイガーとタイガーマスクが対峙した最後のシリーズになります。
このシリーズでは前年の髭ありマスクから口開きタイプ、初代タイガーマスクでいうところの"伝説タイプ"の形に一新し、全体のデザインも新たに登場となったブラック・タイガー。シリーズでは前回同様にタイガーマスクとの対決が軸になると思われましたが・・・この開幕戦後、タイガーマスクはエル・シグノ、エル・テハノ、ネグロ・ナバーロのロス・ミシオネロス・デ・ラ・ムエルテ、地獄の伝道師トリオとの対戦が続くことになり、ブラック・タイガーとタイガーマスクとの絡みは一旦見られなくなります。しかし、そのかわりブラック・タイガーとあのレスラーとの対決が目を見張るようになります。
1月8日 千葉県・松戸市運動公園
30分1本勝負
ブラック・タイガーvs小林邦昭
(8分30秒 両者リングアウト)
1月10日 京都府立体育館
30分1本勝負
ブラック・タイガーvs小林邦昭
(8分26秒 両者フェンスアウト)
そう、虎ハンター小林邦昭です。ブラック・タイガーが82年9月末にブラディファイトシリーズを終え帰国すると、まさに入れ替わるように同年の翌月10月に凱旋してきた小林。このため、お互い未知の存在でしたが、このシリーズで遭遇すると打倒タイガーマスクを狙う者同士として初対決が実現。以降も戦いを重ねて行くことになります。
1月11日 兵庫県・姫路市厚生会館
タッグマッチ 30分1本勝負
タイガーマスク、グラン浜田vsカルロス・ホセ・エストラーダ、ブラック・タイガー
タイガー(10分17秒 メキシカン・ローリングクラッチ)エストラーダ
1月14日 山口県・徳山市体育館
30分1本勝負
ブラック・タイガーvs小林邦昭
(9分47秒 両者リングアウト)
1月15日 宮崎県・西都市民体育館
タッグマッチ30分1本勝負
タイガーマスク、星野勘太郎vsカルロス・ホセ・エストラーダ、ブラック・タイガー
タイガー(13分50秒 体固め)エストラーダ
1月17日 熊本県・熊本市民体育館
30分1本勝負
タイガーマスクvsブラック・タイガー
(11分57秒 両者リングアウト)
で、これですね・・・前年の82年9月6日に熊本市体育館でタイガーマスクvsブラック・タイガーのゴールデン・カードが組まれていたことに触れましたが、そのわずか4ヶ月後のこの年。驚くべきことに熊本市民体育館でもノンタイトル、ノーテレビでありながらシングルが組まれていました。なぜ熊本では、こんな高確率でこのシングルが実現していたのでしょうか・・・気になりますね。
1月20日 大分県立荷揚町体育館(1月21日テレビ録画中継)
30分1本勝負
ブラック・タイガーvs小林邦昭
(9分44秒 両者リングアウト)
このシリーズから激しい対決を展開していた暗闇の虎vs虎ハンターが4度目のシングルでテレビ初登場です。残念ながらボクには当時この試合をテレビで見た記憶は残っておらず、試合展開はわからないんですが・・・ブラック・タイガーの覆面を剥ぐ小林なんて想像しただけでワクワクしてしまいます。どんな試合だったんでしょうかね~。当時は目をキラキラさせながら見てたんだろうなぁ~。
1月21日 岡山県・岡山市総合文化体育館
45分1本勝負
タイガーマスクvsブラック・タイガー
タイガー(11分48秒 回転エビ固め)ブラック・タイガー
前年から続けて2回の熊本でのノーテレビでのシングルに驚いたのも束の間。なんと岡山市でもタイガーマスクvsブラック・タイガーのノーテレビのシングルが行われていました。しかも熊本市の2回では引き分けだった決着が、ここではタイガーマスクがピンフォールで勝利しています。これは意外な事実発覚ですね。
1月25日 埼玉県・志木市民体育館
30分1本勝負
ブラック・タイガーvs小林邦昭
(9分8秒 両者リングアウト)
1月27日 静岡県・浜北市民体育館
30分1本勝負
ブラック・タイガーvs小林邦昭
ブラック・タイガー(9分43秒 反則勝ち)小林
岡山でのタイガーマスクとのシングルのあとは暗闇の虎vs虎ハンターが続きます。ブラック・タイガーvs小林、ここまで5戦して5引き分けとデッドヒートでしたが、6回目のシングルで反則ながらブラック・タイガーが勝利。初めて勝敗が着きました。どのような状況だったのか気になりますね。
1月28日 茨城県・古河市立体育館(テレビ生中継)
タッグマッチ 45分1本勝負
タイガーマスク、星野勘太郎vsカルロス・ホセ・エストラーダ、ブラック・タイガー
タイガー(11分19秒 体固め)エストラーダ
ここではですね、すいません。本当に私的なことなんですが・・・80年代、小学生時分に茨城県民のボクが思っていたことを、どーしても吐き出したいんですよ。積年の想いを、この機会に・・・申し訳ないですが言わせてもらいます。
なんでいっつも古河はテレビでやるんだよー!!
同じ茨城なのに、古河ばっかりぃー!!
81年の新春黄金シリーズは開幕戦が生中継でジ・エンフォーサーvs木村健吾、ケン・パテラvs長州やったんだよ!!メインは猪木、藤波vsサモアンズだよ!!うぉーいいなぁーエンフォーサーいいなぁー!!
83年はこれ、生中継でタイガーマスクとブラック・タイガーがタッグでやって、メインで猪木、藤波vsマスクド・スーパースター、マイク・ジョージやったんだよ!!マイク・ジョージは1月14日の山口県の徳山市の試合で、はぐれ国際軍団入りなんていって国際軍団と大々的に乱入してタイガーマスク攻撃したわりに、シリーズではこの古河と最終戦の愛知県の蒲郡市民体育館しかテレビ出てないんだよ。だから貴重なんだよー!!そんなの見れていいなぁー!!
84年3月9日のビッグファイトシリーズも開幕戦で生中継だったんだよ!!この日は若き日の高田と小林邦昭がシングルやって、テロリスト後の藤原が猪木と初タッグでメインで出たんだよー!!で、そのわずか21日後の30日には全日もテレビ!!スタン・ハンセンとバグジー・マグローのPWF戦やったんだよ!!ハンセンが6日前に馬場さんに左腕痛めつけられてたから左腕が使えなくて、ハンセン史上、初めて右腕でラリアート出した試合なんだよ!!ていうか1ヶ月に2回もプロレスいいなぁー!!
85年4月は藤波、木村vsマードック、アドニスだよ!!マードック、アドニスだって!!いいなぁー!!で、メインでは猪木組とストロング・マシーンズで新日本プロレス史上初めての8人タッグやったんだよー!!マシーンズ4人が初めて同時にリング上がって試合したんだよー!!そんなの見れて、いいなぁー!!ちなみにテレビはなかったけど、この85年の6月は全日がここでダイナマイト・キッドと小林邦昭のインタージュニアやってて、小林がタイトル奪取したんだよ。キッドvs小林戦でタイトル移動だよ!?いいなぁー!!ついでにこの日のセミは長州、谷津vsウォリアーズだったんだよ!!ノーテレビで地方でこんなカード普通やる!?やらないよー!!あああーっ!!
うらやましかったなぁ・・・でも、今でも新日本って古河に定期的に来るんだよな。おかしいよなぁ?なんかあるのかな?
1月29日 静岡県・富士市吉原体育館
30分1本勝負
タイガーマスクvsブラック・タイガー
(9分31秒 両者リングアウト)
先ほどから紹介しています熊本、岡山と地方にて行われていたタイガーマスクvsブラック・タイガーの一連のノーテレビでのシングルですが、またも発掘。静岡でも実現していました。しかし、この静岡が最後になります。結局、田コロでのノーテレビを除けば地方で4回も実現していたというこのシングル。テレビで高視聴率、観客動員数も高かったゴールデン・カードが、なぜ人知れず頻繁に行われていたのか・・・興味がつきません。
1月31日 東京・福生市民体育館
タイガーマスク、星野勘太郎vs小林邦昭、ブラック・タイガー
(11分40秒 両者リングアウト)
ここまでタイガーマスクとの対決と並んで小林邦昭との対決もご紹介してきましたが、ここにきてびっくり。なんとこの日はブラック・タイガーと小林邦昭がタッグを組んでいます。敵の敵は味方・・・一度組んでタイガーマスクを潰しておこうという魂胆だったのでしょうか?それにしてもタイガーマスクにとってはまたとない対戦相手、最強タッグとなりましたね。
2月5日 青森県・三沢市民体育館
タッグマッチ 30分1本勝負
タイガーマスク、星野勘太郎vsカルロス・ホセ・エストラーダ、ブラック・タイガー
タイガー(11分58秒 体固め)エストラーダ
2月6日 福島県・双葉町民体育館
30分1本勝負
ブラック・タイガーvs小林邦昭
ブラック・タイガー(10分00秒 反則勝ち)小林
さて、月が変わって新春黄金シリーズも東北エリアを南下しながら、いよいよ終盤です。
5日、青森はタッグでブラック・タイガーとタイガーマスクが激突。2日後の天王山、蔵前でWWFジュニアヘビー級選手権を争う両者の最後の前哨戦となりました。
そして6日は、一度はタッグを結成も再び対峙した暗闇の虎vs虎ハンターの7度目のシングルとなりました。結果は6戦目と同じくブラック・タイガーの反則勝ちとなりましたが、真の決着はまだ先のようです。
2月7日 蔵前国技館(2月11日テレビ録画中継)
WWFジュニアヘビー級級選手権試合60分1本勝負
タイガーマスクvsブラック・タイガー
タイガー(15分18秒 ジャーマン・スープレックス・ホールド)ブラック・タイガー
初登場から1年2ヶ月、9度目のシングルで5度目の選手権試合となったこの日は、いよいよ手の内を熟知したタイガーマスクがブレーンバスターに見せかけて前方へ倒しロープへ腹部を叩きつけるブラック・タイガーの得意な攻撃を逆に仕掛け精神的圧力をかけます。しかしそこは百戦錬磨のブラック・タイガー。キック、パンチを細かく入れてペースを見出だし対タイガーマスク戦用の必殺の雪崩式ブレーンバスターで追い込みます。
ラフばかりに目が行くが、そこはイギリス出身のブラック・タイガー。グランドレスリングも巧みだ
この日もブラック・タイガーが新日本へ登場し、初めてプロレス界に披露されたジャーマン・スープレックス・ホールド封じの急所蹴りがヒット。チャンスと見るや、そこから得意のロープ拘束刑ドロップキックで駄目押しに出ます。
迫力のあるドロップキックで勝負に出たが・・・
しかし2度目のジャーマン・スープレックス・ホールド封じの急所蹴りを脛(スネ)で2度に渡ってガードされたブラック・タイガーはジャンピングしてのスピンキックを後頭部へ浴び、ついにジャーマン・スープレックス・ホールドを許してしまいます。大きく項を描いたジャーマン・スープレックス・ホールドに、ついにスリーカウントが入ってしまいました。
試合数、起き上がれずブラック・キャットに担がれて戻っていったブラック・タイガー。タイガーマスクがブラック・タイガー戦でジャーマン・スープレックス・ホールドを成功したのは最後のシングルとなったこの試合のみ。ブラック・タイガーはタイガーマスクのジャーマン・スープレックス・ホールドのこの威力を知っていたからこそ、これまで警戒し食わないように阻止してきたんだなと思いました。初対決からの長きに渡る、素晴らしい攻防戦でした。
2月9日 三重県・四日市市体育館
タッグマッチ 30分1本勝負
タイガーマスク、星野勘太郎vsカルロス・ホセ・エストラーダ、ブラック・タイガー
タイガー(11分51秒 体固め)エストラーダ
2月10日 愛知県・蒲郡市民体育館(最終戦)
30分1本勝負
ブラック・タイガーvs栗栖正伸
ブラック・タイガー(8分54秒 体固め)栗栖
この年の8月にタイガーマスクは新日本を去ってしまうので2月7日の蔵前での対戦が最後かと思っていたのですが、2日後の2月9日に三重県の四日市市体育館でタッグで対戦している記録が見られました。ということで、これがタイガーマスクとブラック・タイガーの最後の対戦ということになります。そして最終戦。タイガーマスクとブラック・タイガーが同じシリーズにいて行われた最後の大会での試合は2月10日の栗栖正伸戦と、いうことでした。
昔はテレビ中継が入るビッグマッチの大会が必ず最終戦ではなく、そのあと1、2日があって最終戦というの、ありましたよね。こういう時代背景がタイガーマスクvsブラック・タイガーの人知れぬ最後の対決を生んだのかもしれませんね。
さて、ライバルとの激しい激闘を経たのち、そのライバルが突如いなくなってしまったブラック・タイガー。去りゆく虎の後ろ姿に自分がブラック・タイガーである意味を考えていたのでしょうか・・・このあとブラック・タイガーは新日本マットに現れることはありませんでした。
しかし約1年後、タイガーマスク去りし新日本のリングにブラック・タイガーは姿を現し、以降も参戦していくことになります。日本で新たなライバルとなりマディソン・スクエア・ガーデンのリングでWWFジュニアヘビー級選手権を行うまでになったザ・コブラとの対決。UWF相手にも己のスタイルで真っ向戦った高田とのIWGPジュニアヘビー級選手権。海外から日本へと舞台を移しながら白熱の勝負を展開した素顔での山田恵一との戦い・・・思い出される数々の名勝負は尽きることがありません。
でもタイガーマスクが去ったあとのブラック・タイガーは、何かがちがう感じに見えました。姿やファイトスタイルこそ変わりませんが、やっぱり何かがちがう。見ていて・・・そう、どこか"さみしかった"んです。
タイガーマスクと戦っていたときは、ブラック・タイガーのせいでタイガーマスクがいつものように動けなくなってるのを見てイライラしたり、悲しくなったり。「ずるい!!」と、頭にきたりしたりしてたのに、それがなくなってしまったことが、見ていてさみしく感じたんだなと・・・そこまで思わせるほど激しい戦いだったんだなと・・・そう思いました。
見る者の感情を揺さぶる戦いを展開してきたふたり。それは最も強く輝いていた時代ではわからなかった、居なくなり、離れて初めてわかるさみしさ。戦いながら成り立っていた「友情」が招いた"さみしさ"だったのかもしれません。そう思えば思うほど、やっぱりブラック・タイガーにはタイガーマスクだったんだなと強く思えるのでした。
ブラック・タイガーが残してくれたタイガーマスク幾多の名勝負。いつまでも忘れません。夢を、本当にありがとう!!
暗闇の虎よ、安らかに・・・